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第23号 労働供給に係る『2012年問題』
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シニアエコノミスト 柿沼 点

「2007年問題」は杞憂に終わったが・・・
2007年には団塊世代(1947年〜49年生まれ)が60歳の定年年齢に達し、働き手の減少が心配されたが、企業の取り組みやその後の景気悪化に伴う労働需要の縮小により、懸念はひとまず遠のいた。しかし、足許では失業率の上昇に歯止めがかかりつつあり、今後、景気回復に伴い労働需要も次第に持ち直しに向かうと見られる。こうした中、中期的な視点に立てば、2012年以降、65歳に到達する団塊世代の労働市場からの退出が、再び関心を集めると予想される。これが労働供給に係る『2012年問題』である。

再雇用制度の拡充と労働参加率の上昇が支えた労働力人口
まず、2007年以降、現在までの確認から始めたい。団塊世代の退職年齢到達に際しては、政府の後押しもあって、各企業が定年延長や再雇用制度の整備を進めた。その結果、再雇用制度を導入している企業割合は約8割に達し、60-64歳の労働参加率(労働力人口÷総人口)も6割程度に高まった(図表1、注)。 (注)このほか、定年年齢が65歳の企業割合も2005年の約6%から2009年には約13%に上昇。

以上の結果、2007年以降の労働力人口の増減を年齢別に見ると、団塊世代が抜けることで59歳以下が年80万人程度減少しているものの、60-64歳の増加が全体の減少を小幅に止めた(図表2)。この様に、団塊世代は、60歳に到達した後に上の世代に比べてより多くの人が働き続けるという選択を行った(労働参加率の上昇)ため、『2007年問題』は、杞憂に終わった。しかし、2012年には団塊世代が65歳に到達する。現状、労働参加率は60-64歳で約6割あるのに対し、65-69歳では4割弱に止まるため、労働参加率に変化が無ければ2012年以降、労働力人口は明確な減少に転じると予想される。

「(図表1)再雇用制度の拡充と労働参加率の上昇」と「(図表2)労働力人口の増減(各年9月の前年差)」

 

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