スチュワードシップ責任に関する活動

平成29年10月3日

大和住銀投信投資顧問(以下、「当社」)は、日本の上場株式に対する投資について、「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫への賛同を表明します。

スチュワードシップ・コードとは、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る為の行動規範です。

日本版スチュワードシップ・コード(以下、「本コード」)は、金融庁に設置された有識者検討会での議論を経て、平成26226日に策定され、平成29529日に改訂されました。本コードは、機関投資家が、顧客・受益者と投資先企業の双方を視野に入れ、「責任ある機関投資家」として当該スチュワードシップ責任を果たすに当たり有用と考えられる諸原則を定めるものです。

当社は、顧客・受益者に対する受託者責任を果たす観点から、投資先企業の持続的成長を促し、企業価値の持続的向上を図ることを通じて、顧客・受益者の長期的な投資利益の拡大を図ることを目的として、本コードの各原則に対して方針を定め、ここに公表いたします。

原則1

機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、受託者責任を適切に果たす観点から、投資先企業の長期的な株主価値の増大を目指し、以下の基本的活動方針に基づき、スチュワードシップ責任を果たすための活動を行います。

1.スチュワードシップ責任を果たすための活動は、企業の持続的成長を促し、企業価値拡大を通じて、投資収益を改善しうる有効な手段であり、またアセット・マネージャーとして果たすべき投資行動の一環であると認識し、投資先企業の実情を踏まえた、効率的且つ効果的な活動を行います。

2.当社は、アナリストや株式ファンド・マネージャー等が行う、投資先企業との様々な形でのコンタクトを有効に活用し、投資先企業の取り組みを把握するとともに、それぞれの企業が直面する状況を踏まえ、株主の観点から適切な意思表示を行うことを通じて、資本政策や成長戦略などに関する、企業価値ひいては株主価値の持続的向上に向けた、企業の自主的な取り組みを促してまいります。

3.議決権行使にあたっては、当社が定めた基準に基づく判断に加え、株主価値を増大させる上で何が効果的かという観点から実施する個別企業とのコミュニケーションに基づく判断を考慮しつつ、適切に行使してまいります。

原則2

機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は顧客・受益者の利益を最優先に考え、利益相反を適切に管理して行動します。

平成284月より、独立性を満たす社外取締役2名を招聘するとともに、この2名の独立社外取締役に、コンプライアンス・オフィサー及び業務執行ラインから独立した責任投資オフィサーを加えた4名で構成される責任投資委員会を、取締役会に対する諮問委員会として設置しました。同委員会において、当社と顧客・受益者との間で生じうる利益相反懸念を適切に管理すべく、①当社の議決権行使ガイドラインの妥当性検証、②大株主との取引関係や資本関係などから、利益相反が疑われる企業に対する議決権行使状況の確認、③運用、売買執行、議決権行使を含むエンゲージメント活動など、広く運用に係る局面における、利益相反状況及びその管理態勢のチェックなどのモニタリングなどを行い、問題がある場合には取締役会に対し、対応を求めることとしております。

また、当社役職員と顧客・受益者との間の利益相反懸念に関しては、当社全役職員が遵守すべき「コンプライアンス・マニュアル」において利益相反への対応方針を明確に規定し、利益相反が発生した場合であってもこれに適切に対応できるようにリスク管理態勢及びコンプライアンス態勢を構築しています。

今後とも、スチュワードシップ責任遂行や、利益相反の適切な管理、ひいては顧客本位の業務運営の充実をはかるべく、独立社外取締役が関与する責任投資委員会での議論を踏まえ、取締役会においてさらなる強化策を検討し、態勢の充実を進めてまいります。

【具体的な事例における利益相反管理】

1.“関係会社”に対する議決権行使

資本関係を通じ当社の経営に影響を及ぼす可能性がある企業の議決権行使においては、利益相反が生じうる特定の場合として、賛否の判断を当社から独立した外部の議決権行使助言会社の推奨に従い、同社の議決権行使基準及び判断に基づいて議決権行使指図を行うこととしております。

2.人的関係に基づく利益相反懸念のある会社に対する議決権行使

当社出身者並びに当社の大株主企業の現役役員もしくは重要な地位を占めていた出身者など、当社と何らかの密接な関係を有している者を候補者として含む取締役選任議案、監査役選任議案についても、利益相反の疑いの程度に応じて上記取扱いを行う、もしくは棄権することとしています。

3.“当社もしくは関係会社”と重要な取引関係等を有する会社に対する議決権行使

上記項目に該当する企業に対する議決権行使に関しては、当社の議決権行使ガイドラインに基づき、専ら受託者責任の観点から賛否判断を行うとともに、責任投資委員会に個別の行使状況を提出し、利益相反に基づく問題がないことを確認する態勢を整えております。

さらに企業単位、議案単位での行使状況の個別対外開示を行うことで広く皆様にご確認いただけるようにしてまいります。

4.スチュワードシップ委員会の構成

議決権行使ガイドライン並びにスチュワードシップ活動に関する基本方針を策定するスチュワードシップ委員会は、業務執行ラインから独立した責任投資オフィサーが委員長を務め、責任投資推進室員、運用スタッフ、コンプライアンス・オフィサーのみで構成され、営業担当部署や、大株主との折衝を担当する経営企画部などは関与しない仕組みとしています。

原則3

機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

従来より当社は、日本株式のアクティブ運用を主たる業務とする機関投資家として、投資先企業に関するリサーチを当社運用の付加価値の源泉として重視し、体制の整備を行ってまいりました。当社の株式ファンド・マネージャー、企業アナリスト及びガバナンス・アナリストは、様々な取材や面談等を通じて、業績動向や資本構成等の財務情報、及び経営戦略、コーポレート・ガバナンス、ESG要因及びリスク等の非財務情報などの企業の実態把握に努めております。

また当社は、平成28年4月に責任投資推進室を新設し、企業アナリストや株式ファンド・マネージャーと連携しながら、企業の中長期的観点に基づく、経営力、危機対応力などの非財務情報、経営や企業収益に影響を与えうるESGに関する取り組みやリスク管理状況などの評価や、それを支える取締役会や株主構成などのガバナンスに関する分析の強化に取り組んでいます。

原則4

機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

当社の株式ファンド・マネージャー、企業アナリスト及びガバナンス・アナリストは、エンゲージメント・ミーティング、個別面談や決算説明会の場、また電話取材等などを通じて、投資先企業の経営陣や財務担当者らと様々な形で日々コンタクトを行っており、これらの機会を活用して、配当政策や成長戦略等の企業価値の持続的向上に関する議論を、通常の業績確認や取材に加え行っています。

これに加え責任投資推進室主導で、投資先企業の企業価値の持続的向上にテーマを絞り、当該企業の経営戦略、ガバナンス構造(取締役会構成、役員報酬、サクセション・プラン)、資本効率性の改善に向けた取り組み(配当政策や政策保有株式の妥当性)、ESGに係る諸問題、等の様々な視点からの議論と対話を行っています。このような議論と対話を通じて、認識の共有と企業の自主的な取り組みの支援に努めております。

投資先企業とかかる建設的な対話を行う能力を今後とも強化すべく、スチュワードシップ委員会エンゲージメント分科会を設置し、対話の好事例の共有等を進めています。

投資先企業の対応状況や問題の重要性を踏まえ、当社では、企業との対話を通じた問題解決の取り組み強化、議決権の適切な行使、市場での当該銘柄の売買執行など、状況に応じた段階的な手段によって、適切に受託者責任を果たしてまいります。

このプロセスにおいて、状況によっては他の機関投資家と協調する、いわゆる集団的エンゲージメントも一つの選択肢としてまいります。

投資先企業との対話にあたっては、未公開の重要情報の取得を目的とするものではないことを冒頭にお伝えし、市場の公正性を損なうことのないように十分な注意を払っておりますが万一、未公開の重要情報を取得してしまった場合には、企業に対し速やかな開示を要請するとともに、当社の内部ルールに基づき、適切な情報管理を行うこととしています。

原則5

機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

当社の日本株式運用資産の大半を占める、いわゆるアクティブ運用で保有する株式の議決権行使に関しては、当社の投資哲学や投資判断を反映した、議案種別ごとに詳細な判断基準を設定した議決権行使のガイドラインを定めています。当ガイドラインに基づきつつも、必ずしも形式的な基準によらず、個別企業の実情と問題点を踏まえ、また当該企業のコーポレート・ガバナンスの改善状況を判断に加味するなど、株主価値を増大させる上で何が効果的かという観点から議決権行使を行うように努めています。なお当該ガイドラインは当社ホームページ上に開示しております。

いわゆるインデックス運用のみで保有する株式の議決権行使に際しては、インデックス構成銘柄全体のコーポレート・ガバナンスの底上げを促すとともに、より中長期での企業価値向上を促進する観点から、外部の議決権助言会社のガイドライン並びに賛否判断を参考に、当社の賛否判断を行っています。

平成296月以降に開催される株主総会での議決権行使状況に関しては、当社ホームページで個別企業、個別議案単位での行使状況の開示を行います。

なお、当社の運用戦略に照らし、いわゆるエンプティ・ボーティング(貸株業務等により、経済的な利益/リスクを負わず議決権行使のみを行うもの)に係る問題は生じていないと認識しております。

原則6

機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

当社では、議決権行使状況について会社単位、議案単位でいわゆる個別開示を行うとともにスチュワードシップ活動の状況に関しても、受託者責任の範囲内において、当社ホームページ上で開示を行ってまいります。

また、アセットオーナーの皆様に対しては、効率的で効果的な形でご報告を行います。

なお、企業との対話状況や、議決権行使状況をデータベース化し、その進捗を管理しております。

原則7

機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

当社では、平成284月に、受託者責任をより一層適切に果たす観点から、責任投資委員会を設置するとともに、企業との「目的を持った対話」の更なる強化を図るため、責任投資推進室を設置いたしました。日本の資本市場のインベストメント・チェーンが適切に機能し、最終受益者、アセットオーナー、アセット・マネージャー、上場企業の全てがメリットを享受する関係を構築し、ひいては日本経済全体の活性化に繋げられるように、今後とも研鑽を積んでまいります。

スチュワードシップ責任をさらに実効的に果たし、利益相反の適切な管理を行い、ひいては顧客本位の業務運営の更なる充実をはかるべく、独立社外取締役が関与する責任投資委員会においてモニタリング並びに検討を行い、取締役会に対し報告を行う、1年を通じたサイクルを確立し、その結果を対外的にも開示してまいります。

かかるガバナンス態勢に基づき、更なるスチュワードシップ活動の充実を進めてまいります。

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