FP大竹のり子さんに聞く ジュニアNISAではじめる、子ども教育資金づくり

2016年1月25日作成

2016年にはじまるジュニアNISAは、
子どもの教育資金づくりをきっかけに、資産運用をはじめる大きなチャンスです。
ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんに、
資産運用の必要性と投資信託の魅力などについて聞きました。

――大竹さん、
「子どもの教育費資金」は、「住宅資金」や「老後資金」と並ぶ、人生の三大資金とも言われます。
具体的にいくらかかるのか教えてください。

幼稚園から大学までオール公立の場合、1,042万円。あとは私立の組み合わせで変わってきます。大学だけ私立文系の場合は1,196万円。中学・高校・大学文系が私立の場合は1,623万円。これに大学が私立理系の場合は1,753万円かかる計算です。

将来、子どもがどの方向に進むかは、大きくなるまでなかなかわかりませんが、少なくとも大学は私立文系に進学するくらいの費用は想定して用意をしておくべきでしょう。

――ありがとうございます。教育にかかる金額については、分かりました。
でも、どうやって用意すればよいのでしょうか? 資金の貯め方について教えてください。

「栓の空いた風呂おけにお湯をためるようなもの」と私は例えているのですが、教育費の難しさは、日々の費用を払いながら、将来の大学進学にかかる費用を貯めなければいけない点です。基本的なスタンスとしては、高校までにかかる費用は日々の家計の中でまかない、大学進学にかかる費用は別途、月割、年割で計算して貯めていきます。

具体的に貯める方法は3つあります。1つは貯蓄。2つ目は保険。3つ目が資産運用です。

貯蓄は、先取り貯蓄が鉄則です。毎月の給料から残った金額を貯めるのではなくて、給料が入ったら決まった金額を先に別の定期預金口座などに移します。お金に「色をつける」ことも重要です。老後資金やクルマの買い替え資金など他の目的の資金と教育費は分けて貯めていくことがポイントです。

学資保険はまさに大学進学費用の準備を目的とした金融商品ですから、お金に色をつける意味では有用です。しかし、現在の低い金利水準で契約が固定されてしまうことになり、また金利が低いことにより大して資金を増やすことができなかったという事態もありえます。お子さんが生まれてから、大学進学にかかる費用が必要になるのは18年後です。長期の運用期間がとれますから、資産運用なども上手に取り入れて、効率的に資金を増やしていくことも検討したいところです。

――資産運用に関連しては、2016年からジュニアNISAがはじまりますね。
教育資金づくりに有効なのでしょうか?

他の目的の資金とは分けて運用できる点は大きなメリットです。なおかつ、子ども名義で、兄弟がいたとしてもそれぞれの名義で教育資金を準備できる点もメリットです。

一方、デメリットとして取り上げられることが多い「払出し制限」ですが、18歳になるまで資金を引き出せないことは見方を変えればメリットと考えることもできます。「つい他のことに使ってしまった」ということがありませんからね(笑)

――なるほど。
ジュニアNISAの活用法について、いくつかの事例をアドバイスいただけますか。

お子さんが大学に進学する際の入学金や授業料などに使うという目的であれば、投資信託の積み立てがいいでしょう。投資信託を預貯金などと組み合わせることによってバランス良く教育資金の形成に臨みたいですね。また、積立投資にすれば時間分散の効果もありますので、安定した収益の獲得が期待できます。

教育資金づくりの必要性に迫られている現役世代は、大きな金額を投資にまわすことはなかなかできないものです。その点、投資信託であれば少額から分散投資が可能ですし、ファンドマネージャーが銘柄の選択や入れ替えなども行ってくれます。

積み立てサービスを利用すれば、自動引き落としで手間もかからず、時間のない人にも非常にありがたい金融商品です。

バランスの良い教育資金作り

――大竹さんご自身は、お子さんの教育資金づくりのためにどのような資産運用を行っているのですか。

中学生と小学生の子どもがいますが、預貯金などとあわせて投資信託の積み立てなどを活用しています。

ふたりとも公立に通っているので、学費はそれほどかかりませんが、修学旅行の積立資金や部活動にかかる費用、友だちとの交際費など、学費以外にも子育てにかかる費用は子どもの成長とともに増えていると実感しています。

やはり先々に必要になる資金を効率的に用意するためには、預貯金だけでなく積極的に資産運用を活用していきたいところです。

――これまで投資経験のない人が資産運用の一歩を踏み出すことは、
簡単なことではないと思います……

「投資をしないことのリスク」を考えるべきです。投資をすると元本割れのリスクはありますが、何もしないで教育資金や老後資金が足りないまま放置しておくことはもっと大きなリスクではないでしょうか。投資の知識を身につけ、正しいやり方を実践すれば、資産は殖える可能性があることを広く知っていただきたいですね。

投資をしない理由の1つに、「投資は難しい」という意見がありますが、こればかりは、経験してみるしかありません。セミナーや本を読んで勉強ばかりしていて、なかなか投資をはじめられない方もいますが、完璧にわかることはありません。どこかで見切りをつけて、一歩を踏み出してみることが肝心です。

また、「お金がなくてはじめられない」という声もよく聞きます。よくある誤解ですが、NISAであれば年間120万円、ジュニアNISAであれば年間80万円を投資しなきゃいけないから、「うちにはそんなお金はない」というご意見です。120万円や80万円は投資上限額であって、投資信託であれば1万円程度から投資可能ですから、ご自身の可能な範囲ではじめればいいのです。繰り返しになりますが、少額でもいいから、早めにはじめることです。早目の資産運用で、子どもの教育資金づくりやご自身の将来のライフプランに備えていただきたいですね。

――大竹さん、ありがとうございました!

大竹のり子さんプロフィール

株式会社エフピーウーマン代表取締役  ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
一般社団法人金融学習協会理事

1975年生まれ。
編集者を経てファイナンシャルプランナーとして独立。
女性による、女性のためのファイナンシャルプランニングサービスを実現したいとの想いから、2005年4月に株式会社エフピーウーマンを設立。
現在、講演、執筆、テレビ・ラジオへの出演など多方面で活躍している。
『一番やさしく株がわかる』(西東社)『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)などお金の分野での著書は30冊以上に及ぶ。

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