REITに負けるな不動産株!

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2016/5/23

株式運用部

小出 修

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

不動産株は、ファンダメンタルズの好調さにも関わらずさえないパフォーマンスを継続しています。残念ながら現在の大手不動産株は、外国人投資家が日銀の金融緩和を期待して買う時以外は物色されない傾向にあるようです。これには私が以前から指摘しているように明らかにいくつかの他の株式に比べて劣後する原因があると思います。

まず一つ目は最低購入金額の問題です。大手不動産株の売買単位は全て1,000株です。最低購入金額は一番株価の低い三菱地所でも200万円以上します。これではいくら個人が大手不動産株に長期保有目的で興味を持ったとしても、税制優遇を受けるNISA口座の枠を超えてしまうため、買いたくても買うことすらできません。東証は投資家の利便性向上のため、2018年10月1日までに売買単位を100株単位へ移行するように企業に求めています。2015年12月現在で既に70%以上の企業が100株単位になっているにも関わらず、不動産株については残念ながら、今回の決算時にも売買単位の変更について発表がなされませんでした。

そして二つ目は不動産株がどうしてもREITと利回りで比較されてしまうことです。下記の大手不動産株の決算数字でも明らかであるように、例外なく2015年3月期から増配ステージに入っており、今期も三菱地所を除いて増配計画となっています。しかし、各社の先週末現在の配当利回りはそれぞれ三菱地所が0.75%、三井不動産が1.18%、住友不動産が0.75%とREITの平均利回りの3%超と比べると足元にも及びません。

三菱地所

 

利回りで比較されればREITには太刀打ちできません。不動産株が魅力を上げるためには何が出来るでしょうか?

私は株主優待制度を設けることが一つの答えになると思います。

既に東急不動産はグループで運営しているリゾート施設や滞在型ホテル等の利用優待を実施していますし、更に3年以上の長期保有株主に対しては別途の優待制度も設けています。三菱地所であれば、丸ビルなどの利用優待が考えられますし、アウトレットでの利用優待、そして不動産仲介手数料の優待も当然考えられます。他の不動産株も同様です。

ホテル系やヘルスケア系REITは既に株主優待を始めています。REITに負けない株主優待制度の導入と最低売買単位の引き下げで、大手不動産株にも是非頑張ってもらいたいものです。

スピード感が大切です。負けるな不動産株!

 


■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、 特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。 ■当資料に記載されている今後の見通し・コメントは、資料作成時点におけるレポート作成者の 判断に基づくもので、事前の予告なしに将来変更される場合があります。 ■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を 約束するものではありません。 ■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。

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