循環物色

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2016/9/5

株式運用部

 小出 修

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

先週末に発表された米国の雇用統計、非農業部門雇用者数前月比は市場予想の18万人増に対して15.1万人増という結果になりました。これを受け、米ドル・円は一時102円台まで円高が進みましたが、原油価格の上昇と米国10年債利回りの上昇を受け、104円水準で終了することになりました。

 

イエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演で、一度は9月の利上げ観測が高まりましたが、これが12月に後退する形となりました。

 

WTI原油先物も1バレル40米ドルから50米ドルでのレンジの中での動きとなっており、今はちょうど中心の45米ドル水準で推移しています。引き続き、イランを含めた増産凍結のニュースや米国在庫の状況で振り回される方向感の無い展開になりそうです。

 

為替は米ドル・円は104円水準まで回復してきました。この水準は、ほぼ75日移動平均の水準で、今まで何度もこの移動平均線で跳ね返えされて円高に戻っている水準です。9月に米国の利上げが仮にあったとしても110円まで戻るには力不足でしょう。せいぜい、週足26週平均の106.45円がチャート上の戻りの上限となるのではないでしょうか。ただ100円を割り込む円高も材料不足で、為替もしばらくは方向感のない展開になりそうです。

 

このように、いろいろなマクロ環境は方向感のない状態が継続しそうです。特に日本株にとって影響が大きい為替が方向感のない展開であれば、今後の日本株は循環物色されやすい局面に入るのではないでしょうか? 内需関連の小売業や陸運業の中にはファンダメンタルズには大きな変化がないにも関わらず大きく売られて割安になっている銘柄が数多く存在します。さらに売買代金の低迷が続く東京株式市場ですが、これから循環物色局面に入るのであれば、売買代金も少しは増加することが期待できます。循環物色が続き、上昇した銘柄を売却して、出遅れている銘柄を購入する動きが続けば、今まで長期にわたって低迷していた証券株もファンダメンタルズの回復を伴った動きがあるかもしれません。

 

循環物色の流れは健全な相場の動きであり、今までのように株価のボラティリティが低い銘柄がずっと買われ続ける相場とは異なった展開が想定されます。もちろんこのような銘柄の中には割安で好業績であるにも関わらず、最近大きく調整している銘柄も含まれており、これらの銘柄も循環物色として買われる可能性もあることを忘れてはならないと思います。

米ドル・円の推移


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