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2016/10/11

株式運用部

部奈 和洋

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

私の友達の一人は、昔から美しいモノに目がありません。中学生の頃から自動車雑誌を読み漁り、今は渋谷の閑静な住宅街にある器屋さんに通いつめているような男です。iPodも大学の中でおそらく真っ先に購入、8,000円もするおしゃれなゴミ箱を購入し、価値観が違うと嫁が出て行った経験を持つ彼が、毎朝のコーヒーを飲むために使うチタン製マグカップを制作しているアウトドアブランド企業を教えてくれたので、先週訪問してきました。同社は、新潟県の燕三条駅から40分程度、車で走った山の中に本社があります。まさに大自然の中にぽつんとある感じです。歴史的に金属加工に強みをもつ地域の特性を活かし、品質を重視した製品戦略が支持されることで成長を続けています。本社見学を常時実施していたり、広大な本社の敷地をキャンプ場として開放していたり、同社のファンとスタッフが交流できるキャンプイベントを全国で実施するなど、非常にうまく顧客ロイヤリティを上げているように感じました。また、訪問した日は、同社の社長もかかわられた街をあげての工場見学が行われていたこともあり、多くの方が見学に来られていました。これも同社のマーケティングになります。本社を訪れたことのある顧客は、他の顧客に比べて、その後の同社製品の購入額が大きく増えるとのことでした。

 

また、大手スポーツ用品メーカーの岩手県にある工場で製造される高級ダウンジャケットが数年前より大きく売上を拡大しています。同工場のもつ防水加工とダウンを詰める技術が活かされた製品です。同工場は、1980年代の五輪から内外のチームにウェアを提供してきた実績があり、2010年のバンクーバー五輪では、日本代表公式ウェアとして、このダウンが提供されたことや、スポーツ用品の国際総合見本市で3年連続の金賞を受賞するなど、その機能性に特徴があります。昨年IRの方に購入するためにはどこに行けばよいか伺いましたが、もう売り切れてしまっているので、来年までお待ちくださいと言われてしまいました。残念に思いましたが、このように数量が限定されていることも、人気の秘訣といえるでしょう。今年こそは試してみたいと考えています。

 

ゴールドマンサックスのレポート(邦題「日本:卓越性の追求」)によると、先進国、新興国を問わず、消費者は製品に対する物語に強い関心を持つようになっているとのことです。物語とは、来歴や素材、職人技や伝統などに関することが当てはまるようです。確かに上記で紹介した企業、製品に関しても、素材にこだわりがあり、日本の職人技が活かされているといえます。スマホを持ち歩くことで、誰もが情報をいつでも簡単に取得できるようになったこともあり、この傾向はますます強まっていくように感じます。

 

このような観点から、私は釣具用品に注目しています。国内釣具市場はピーク時の1/3程度まで縮小してしまっていますが、それでも世界最大規模の市場であることには変わりありません。特に、日本では渓流、河川、湖、海と多種多様な釣りを楽しめます。また、ひとえに海といっても、磯釣りや船釣りなど多くの種類があります。さらに、他国に比べ道具に対するこだわりも強く、高額の製品が売れる珍しい市場と言われています。こうした背景から釣具についても、素材や伝統など、世界で通用する物語を作ることができると思います。

 

世界で通用する物語を作れる企業や業界に注目して、銘柄を探すのも良いのではないでしょうか。

 

 


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