育てよう!“和”のFinTech企業!

バックナンバーに戻る

2016/10/17

株式運用部

小出修

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

これから本格化する決算発表シーズン、企業の決算説明会に行ってみると会場が変更されていたり、時間が違っていたりなど、ファンドマネージャーやアナリストであれば、何度かこのような苦い経験をしたことがあるのではないでしょうか?

 

そういう私も長いファンドマネージャー人生の中で何度もこのような苦い経験をしたことがありました。外出先でも簡単に決算説明会の時間と場所が正確に分かるサービスはないのか、間違える度にそう思っていました。

 

そんな矢先に、『みんなの説明会』というサービスを運営する企業の代表の方と会う機会がありました。『みんなの説明会』は上場企業の決算発表日や決算説明会の日時、場所を教えてくれる無料のサービスです。さらに、セクターや時価総額で絞込みが出来たり、OutlookやGoogleのカレンダーなどのスケジュールへの取り込みができるなどファンドマネージャーやアナリストにとっては大変便利なサービスです。

 

より良いサービスにするにはどうすればいいのかということを、同社の社長自らがプログラマーを連れて我々ファンドマネージャーのアドバイスを求めに来られました。名刺交換して少し話をするだけで、なぜこのサービスがユーザー目線に立った使いやすいサービスであるのかという謎が解けました。答えは、我々のアドバイスに対してプログラマーの方が積極的に会話に参加をしているということです。まさにかゆいところに手が届くような『和』のサービスをスピード感持って作り上げることができるのはベンチャー企業ならではと言えるでしょう。

 

これは、なかなか大企業では出来ないことだと思います。大企業では、ユーザーのニーズがプログラマーに仕様書として行き届くころには又聞きの繰り返しで、実際のユーザーのニーズとはかけ離れたものが最終的にプログラマーに伝わってしまう可能性があることは容易に想像ができます。

 

今、このような無料の大変便利なサービスが誕生するにはいくつかの背景・理由があると考えられています。まず第一に、技術の開発コストの大幅な低下が挙げられます。この開発コストを下げている部分はオープンソースソフトウェア、クラウド、API(Application Programming Interface)の進化が大きく影響していると言われています。特にスマートフォンなどのオペレーティングシステム(OS)のAndroidがオープンソースソフトウェアのGNU/Linuxから派生したOSであることはよく知られています。

 

第二には、普及コストの低下が挙げられます。App StoreやGoogle Playで簡単にソフトウェアを公開することができ、利用者にサービスを届けることができます。

 

そして第三には、サービスに対する期待値の向上が挙げられます。これは、スマートフォンなどのモバイル端末の普及により何処でも何時でも高度なサービスが提供されるようになったことが背景にあります。『みんなの説明会』を例にとれば、外出先で次の説明会の時間と場所をスマートフォンやタブレットなどで確認でき、もし説明会の場所が変更になっていても『みんなの説明会』が教えてくれるので間違って会場に出かけて、無駄な時間を費やすことはなくなります。

 

こうした最新のテクノロジーを使ったFinTech企業であっても、より良い物を作るために昔の人脈を使ってアドバイスを受けたり、企業側に営業したり、一番鍵になる大事な部分は意外にも昔ながらのアナログであったりすることは大変興味深いことだと思います。

 

最後に、この様な良いサービスをもっと広げるためにも我々も、もっと積極的に協力していかなければなりません。

 


■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、 特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。 ■当資料に記載されている今後の見通し・コメントは、資料作成時点におけるレポート作成者の 判断に基づくもので、事前の予告なしに将来変更される場合があります。 ■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を 約束するものではありません。 ■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。

PICKUPコンテンツ