うるさい or にぎやか?

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2016/12/12

株式運用第一部

部奈和洋

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

「うるさくて仕事に集中できない」といった話を同僚や友人から立て続けに聞きました。「なぜこちら側が対応しないといけないのか」といった不満はありつつも、耳栓などの対策を講じているようですが、それでもなにかと気になってしまうようです。私に関しては、大阪の騒々しい地域で育ったせいか、非常に鈍感で、今まで全く気になったことはありません。しかし、偶然にも同じような話を聞いたこともあり、音の問題について考えてみました。

 

例えば、騒音は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、振動、地盤沈下、悪臭とともに典型7公害と呼ばれています。公害等調整委員会が実施している「公害苦情調査」では、平成27年度の典型7公害の苦情受付件数は50,677件、前年度比1,235件減と典型7公害すべてが減少しました。騒音については、苦情受付件数の約33%、16,574件となり、平成27年度こそやや減ったものもの、その前の5年間は唯一増加傾向が続いていました。また、苦情の内容も単に音がうるさいというものだけでなく、「低周波」に対する苦情が増加しています。

 

しかしながら、これをもって騒音が過去よりもひどくなっていると一概には言えない面もあります。例えば、環境省が環境基準の適合状況を確認するために実施している「騒音規制法等施行状況調査」の平成26年度版の「過去15カ年の一般地域(道路に面する地域以外の地域)における環境基準適合状況」では、平成19年以降、全観測地域の環境基準適合は8割を超え改善傾向が続いています。環境省は、こういった状況にもかかわらず、苦情が増加している背景として、低周波音に対する苦情が増加していることを上げています。音の問題は感じ方次第とも言え、単に音量を小さくすれば良いといったものではなく、対策が非常に難しいもののように思います。

 

音対策で有望な分野の一つとして注目しているのが、自動車の車内音です。音の問題は、快適性の向上に不可欠だからです。足元でもこういった分野に関連する銘柄の業績は堅調に推移しています。例えば、吸遮音材を手掛けるメーカーは、機能向上により付加価値が増加しているようです。他には、自動車ガラスの安全性を向上させる目的で用いられる合わせガラスに遮音などの機能を盛り込むことにより、付加価値が拡大しています。電気自動車が普及した場合、エンジン音がなくなるため、静粛性は向上するとみられます。しかし、音の問題はなくならないでしょう。例えば、ハイブリッド車では、キーンという音が不快といった声をよく聞きます。恐らく、エンジン音によりかき消されていた音など独特の音が目立ってしまっているのではないでしょうか。将来的に自動運転時代が到来した場合、車内の快適性が車の価値の大きな部分を占める可能性があり、その関連部材の付加価値拡大が期待できると考えます。

 

最近は麺をすする音が不快感を与えるということで「ヌーハラ」といった言葉も聞かれるなど、文化の違いも音への感覚を変えるようです。こういった例も、この問題の難しさを物語っていると思います。一方で、企業にとってはまだまだ多くの機会が残されているようにも感じます。この機会を活かせる企業を、取材を通じて探していきたいと考えています。

 

 


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