進化する工場

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2017/3/21

株式運用第一部

部奈 和洋

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

最近、私のデスクにパソコン用のディスプレイが一枚追加されました。実際に計測はしていないので気分の問題かもしれませんが、事務作業の効率が上がったと感じています。しかし、ここ数年での職場環境の変化はこのくらいしか思い当たりません。一方で、投資先や投資候補先企業の現場を見せていただいたり、話を伺ったりしていると、様々な改善が行われていることが分かり、感銘を受けることがよくあります。直近のものをいくつかご紹介したいと思います。

 

先月、福井県にある繊維メーカーに伺いました。同社は設備投資に資金を使っており、この工場は全て自動化されています。しかし過去の設備もまだ一部使用されているため、過去のものと最新のものを比較して見ることができました。そして、そのスピードが数倍に上がっていることには驚かされました。自社で製造機械を作っていることもあり、最新の性能を持ちながら、見た目はペットボトルのような機械を使っていたりと、見栄えよりもコストを意識した作りがそこかしこに見られることは、私にとっては好印象でした。設備の用途展開も拡がりをみせているようなので、先行きが楽しみです。

 

今月初めには、岐阜県の自動車部品メーカーの主力工場を見せていただきました。同社の工場の建屋は相当古いものでしたが、中身にはしっかりと投資を行っており、かなり自動化されていました。自動車部品メーカーでありながら、基幹部品はクリーンルーム内で製造を行うなど、品質にもこだわっています。同社からリコールの公表を聞いたことがないことも腑に落ちました。余談ですが、当日は上司とともに伺ったのですが、上司がある設備の前を通過すると、警報が鳴り響く事態がありました。原因はわかりませんが、微小な変化も見逃さないようにできているのではないかといった印象を持ちました。なお、ここ最近行ったいくつかの改善活動により、機械の停止時間が減少し、生産性の向上が図れていることを教えていただきました。為替レートの変動によるマイナス寄与がありながらも、利益を伸ばせている背景の一つとなっていました。

 

今、製造業を中心にIoT(Internet of Things : モノのインターネット)の導入や、工場のスマートファクトリー化が話題になっています。例えば、ファナックは製造業向けIoTプラットフォームとして「フィールドシステム」を提供すると発表しています。これは、全ての工場にあるロボットやセンサーなどの設備がネットワークに繋がることで、全体で最適な生産を行えるようになることを目的とした仕組みになっています。AI(Artificial Intelligence : 人工知能)による故障の事前検知や代替作業なども視野に入っているようです。IoT、AIの工場への導入企業としては、ブリヂストンなどがあります。同社はタイヤの成型工程において、生産性の向上と品質のばらつきを抑えるために、同技術を用いているとのことで、これにより生産性が2倍に向上したとのことです。このような進化が今後どんどんと出てくることが期待されます。

 

私は今、このような動きから恩恵を受ける企業や、うまく利用できる企業を探しています。そのためにも、積極的に工場や施設の見学などをさせていただき、進化を感じていきたいと考えています。

 

 


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