相場の反発に備える

バックナンバーに戻る

2017/4/10

株式運用第一部

部奈 和洋

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

週末の天気にはあまり恵まれませんでしたが、東京では例年以上に遅くまで桜が咲いている気がします。そんな桜をゆっくりと楽しむ間を与えないかのように、足元で市場は調整を始めてしまい、日経平均株価、TOPIXともに年初来安値を更新しました。今年に入ってボックス圏で推移していた大型株と異なって堅調に推移していた小型、新興市場株については、米トランプ大統領の誕生以降、初めての調整局面となりました。米トランプ大統領による政策の実効性や米国の金融政策に関する懸念により世界的にリスクオフが意識されたことに加え、日本固有の要因として、影響力の大きい自動車セクターに対する先行き懸念や、ガイダンスリスク、北朝鮮に起因する地政学リスクの高まりが背景と考えています。

 

ある著名ストラテジストの分析によると、2013年以降の調整局面を米国景気と関連づけてみると、今のように米景気が堅調な局面でのTOPIXの調整幅は7%だったとのことです。そして底入れ後には、EPSのリビジョンやベータが高い銘柄がアウトパフォームしているそうです。地政学リスクへの不安はどうにもなりませんが、国内景気は底堅く推移すると考えていることから、このくらいの調整に納まるのではないかとみています。また短期的には、株価が下落した銘柄ほどリバウンドが大きいとみており、すでに下落してしまった銘柄を中心に買いの検討をしています。他方で、もう少し長期の観点からみると、完全失業率が1994年ぶりに2%台まで低下したことにも表れているように、ますます強まる人手不足に対応できる企業にも注目しています。

 

先週の金曜日には、働き方改革を率先して実行している味の素の西井社長と面談の機会をいただきました。同社は先に公表された中期経営計画において、生産性の向上を目的として、年間平均労働時間を1,900時間から1,800時間へ100時間短縮することや、在宅勤務の導入を掲げています。また、残業代の減少を埋め合わせるために、月額給与の基本給を一律で1万円上げることも決めたそうです。この取り組みが成功するかはまだわかりませんが、人手不足の時代でも業績を上げられるよう見据えた策だと思います。同社に限った話ではありませんが、人を確保するには、多様な働き方を可能にすることで間口を広げることと、満足度や忠誠心を高めることで長期にわたって働ける環境を作ることが重要だと考えるからです。既にヤフーが一部の社員向けに週休3日制の導入を決定するなど、今後、各社がいろいろな策を試みてくると思います。将来的に、人を確保する仕組みをきっちりと構築できた会社が、業界内での地位を上げるのでないかと考えています。

 

株価は期せずして調整局面に入ってしまいました。私は上昇すると見ていたため、がっかりもしています。ただ、こういった状況は、割安な銘柄が買えるチャンスが来る局面でもあります。前述したような観点などからポートフォリオを再点検して、反発局面を待ちたいと思います。

 


■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、 特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。 ■当資料に記載されている今後の見通し・コメントは、資料作成時点におけるレポート作成者の 判断に基づくもので、事前の予告なしに将来変更される場合があります。 ■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を 約束するものではありません。 ■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。

PICKUPコンテンツ