遅れはチャンス!?

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2017/6/19

株式運用第一部

部奈 和洋

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

「日本は欧米に比べて、遅れています」と、フォークリフトなどの産業車両を中心に物流ソリューションを提供している会社の方が、日本の物流設備について仰っていました。日本の物流は、早くて丁寧でリーズナブルな世界に誇れるサービスではないかとの思いから、設備もしっかりしているのだろうと考えていたため、素直に驚いてしまいました。最近は宅配に関する問題がニュースになったりしていますが、私自身はユーザーとして不便は感じていません。企業間物流に関しても、昔からジャスト・イン・タイムを可能にするなど、日本の製造業を下支えしているのは言うまでもありません。しかし、どうもそれは物流に携わっている人の能力や努力、そしてサービス残業などに頼っていたのかもしれません。確かに宅配の集配所において、手作業で仕訳をしている場面を見たこともあります。日本では設備よりも人に頼ったシステムになっているらしく、物流設備に関しては欧州が最も進んでいるようです。歴史的に分業が進んでいたこともあって、日本では見たこともない機械や道具があり、各作業に適した設備の導入がなされて、効率化されているとのことです。今回お伺いした会社は、欧州の会社を買収したことによって、そのことに精通することができたそうです。こういった状況を踏まえ、日本の物流業界もまだ成長する大きなチャンスがあるだろうと仰っていました。

 

先週は「日本が遅れている」といった話をもう一つ耳にしました。それは人事総務の分野です。これは同分野のアウトソーシングを請け負っておられる企業の社長に教えていただきました。例えば米国ではテクノロジーを用いて採用や育成、人事評価などの業務改善を行うHRテックというサービスが急速に普及しており、これに関連する企業がここ数年で数多く誕生しているそうです。具体的には、労務関係書類の作成を自動化したり、勤怠管理やウェアラブルデバイスを使って社員の健康管理を行ったりするサービスなどがあるようです。こういったHRテックの活用によって、人事総務担当者の単純作業が削減され、より創造的な仕事ができるようになると言われています。一方、日本では、多くの企業の採用が新卒に偏っていることや、年功序列が長い間維持されていたこともあって、これまではあまり必要とはされていなかったと思われます。しかし、昨今の働き方改革や健康経営といった社会的な動きは、日本企業の人事総務を変化させる可能性があると考えています。

 

上で挙げたような例だけでなく、セキュリティ関連など、日本が遅れている分野はまだいろいろとあるとみています。ここには大きなチャンスがあります。少し前まで、観光産業も世界に対して遅れていると言われていたと記憶しています。ただ、政府や地域の積極的な取り組みもあり、昨年の訪日外国人客数は約2,400万人と、2011年の600万人強の4倍近くに急拡大しました。為替レートの追い風などもありましたが、遅れている分野の改善は、大きな成果を生む可能性があることを再確認させてくれる出来事の一つだと思います。こういった可能性のある分野を見つけるためには、様々な国を訪れて、直感的に感じることが一番の近道ではないかと考えています。

 

 


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