個人を呼び込もう

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2017/10/10

株式運用第一部

部奈 和洋

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

個人投資家を対象としたセミナーを行わせていただく機会がありました。その場でいただいた質問や感想のうちで印象に残ったことは、2人の方(参加人数は約50人)が個別株の話を初めて聞いたとおっしゃったことです。話の内容から察すると、お孫さんがおられるくらいの年齢で、すでに個別株にも少しは投資をしているようです。セミナーにもいらしてくださったことから考えると、株式投資に対する関心は高いと推察され、情報があれば、もっと個別株にも投資をして良いと考えられているようでした。日本株であっても個人の方が個別銘柄の話をじっくりと聞く機会はそう多くないのかもしれません。このような体験から、企業側、販売側がより積極的に個人に対して個別株の魅力をアピールすれば、まだまだ個人の株式投資を呼び込めるのではないかと感じたので、現状を考えてみました。

 

下のグラフは、投資部門別株式保有比率の推移を示したものです。グラフが示すように、個人・その他の株式保有比率は2016年度に過去最低を更新しました。2000年度頃からライブドアショックのあった2005年度あたりまでは、幾分保有比率は持ち直していましたが、今では株価とは関連なく継続して低下しています。

 

投資部門別株式保有比率の推移

 

企業の方と話すと、個人投資家を増やしたいとは考えているところが多いのですが、特にBtoB企業を中心に、個人に何を話したら、自社の魅力が伝わるのか分からないとおっしゃっているところが多いのも確かです。というのも、私達のチームは経営者の方とのミーティングに際して、個人のファンができるような試みを行ってくださいとお願いすることがよくあります。個人投資家への取り組みが得意とおっしゃったのは、航空会社くらいしかなく、大抵は困ったような返答をされます。ただ過去には、カゴメが株主総会の日を他社よりも早めたことなどの施策によって、個人投資家を増やしたことなど、いろいろと方法はあるようです。個人的にはもっと現場を見せたり、SNSやインターネットを活用したほうがよいのではないかと考えています。他にも色々と考えて、企業に提案をしていきたいと思います。

 

また、証券会社などの販売側も個別株を積極的に売ろうとはしていない印象があります。例えば、弊社は投資信託の販売を行ってくださる証券会社の営業担当者向けに、ファンドや市場環境に関する勉強会を以前から行っているのですが、そのような勉強会を数々担当した者によると、ベテランの営業担当者ほど個別銘柄の話が出た時に会社四季報をめくる傾向があるそうです。以前から指摘されているように、若い営業担当者程、個別株を販売する機会が少なく、関心が低下してしまっていることが表れていると思います。私たちができることは少ないですが、機会があれば、少しでも興味をもってもらえるような話を心掛けたいと思います。

 

NISAの導入、東証が示した望ましい投資単位の水準(5~50万円)に多くの企業が対応したことなど、以前よりも個人投資家は株式を購入しやすくなっています。しかしながら、企業側も販売側も有効な策を見いだせていないようです。個人は、相場の暴落時に買い支えられる数少ない主体なので、もっと市場への参加を促せば、日本市場の魅力がさらに高まると思います。だからこそ、皆で出来ることを考えてみたいと思っています。

 

 


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