空気が変わる?

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2017/11/20

株式運用第一部

部奈 和洋

 

※このレポートでは、日本株ファンドマネージャーが注目しているトピックなどを毎週お届けします。

 

2017年の東京モーターショーは電動化と自動運転技術に関する展示が非常に目立ちました。例えば、トヨタ自動車が全固体電池を2020年代前半の実用化を目指して開発中であることを明らかにしたり、量産車としては初めて条件付き自動運転のレベル3(緊急時を除き運転を車に任せることが出来るレベル)を可能にしたアウディなどが代表例といえるでしょう。

 

私も半日程度ですが、見に行ってきました。完成車の展示は華があり魅了されますが、時間の関係もあり、さっと見た程度です。というのも、完成車のブースにはたくさんの来場者が集まっており、担当者に容易に話を聞くことはできません。例えば、ある完成車メーカーのブースで質問しようとしたところ、詳しい方を連れてきていただくまで、10分以上待つことになりました。一方で、部品メーカーのブースでは、比較的ゆっくり見て回ることが出来たこともあって、担当者の方が積極的に話しかけてきてくださるところも多く、私はそういったところを中心に見てきました。特に印象に残ったのは、ブリヂストン、住友ゴム工業が出展したエアレスタイヤです。また、今回の東京モーターショーへの出展はありませんでしたが、9月には東洋ゴム工業もエアレスコンセプトタイヤの開発を発表していることを考え合わせると、各社が開発に力を入れている印象です。各社とも、樹脂製のスポークで荷重を支えていますが、耐久性や重さなど、まだ課題が多いそうです。ブリヂストンのブースでは、このタイヤを装着した自転車に乗ることができました。少し硬い感じは受けましたが、思った以上に快適でした。

 

各社がエアレスタイヤに力を入れるのは電気自動車が拡大した場合に、メンテナンスが問題になるとみられていることも背景の一つだと思います。例えば、昨年の9月23日付の毎日新聞は、車のタイヤがパンクして、日本自動車連盟(JAF)に救援を求めた件数が過去最高になったと報じています。全体の救援数が減少していることもあり、パンクが占める比率は2005年の約10%から約15%まで増加したそうです。原因の一つとしてJAFは、セルフ式のガソリンスタンドの増加により、タイヤの空気圧の点検機会が減っていることを挙げています。これが真実だとすれば、自宅での給電が一般的になると思われる電気自動車の普及につれ、パンクのリスクが非常に高まると言えます。そのため、エアレスタイヤの必要性が高まっているのではないでしょうか。

 

このような開発は非常に重要だと思いますが、安全性を高めることについては、エアレスタイヤまでいかなくても、タイヤ空気圧センサー(TPMS)を義務付けることで解決できるものだと思います。既に米国や欧州に続き、韓国、台湾、ロシア、中近東で装着が法制化されています。そして2019年からは中国でも装着が法制化されました。一方で、日本ではいまだに法制化の兆しは見られません。TPMSは安全性の向上だけでなく、燃費にも効果がある上に、自動運転車には必要になるものだと考えられることから、早期の義務化が期待されます。

 

モーターショーに限らず、見本市やイベントに行くと、最新の技術や商品を知ることができます。また、開発の方向性に触れることで、今の課題や問題点について考えるきっかけにもなると思います。もちろんわくわくした気分にもなると思いますので、皆様もいろいろと出かけてみてはいかがでしょうか。

 

 


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