2016年はここに注⽬!-2016年の10 サプライズ

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2015/12/22

経済調査部 部長 門司 総一郎

 

「2016年はここに注目」の第2回は、恒例の10サプライズです。10サプライズの元祖である元モルガンスタンレーのエコノミスト、バイロン・ウィーン氏は「サプライズ」を「一般には1/3の生起確率しかないと思われているが自分にとっては50%以上である事象」と定義していますが、私は「比較的可能性が高いリスクシナリオ」位の気持ちで作っています。

 

2016年に予想される10のサプライズ

 

その1:接戦を制してクリントン氏が大統領に、安心感から米株式・ドルが上昇

既存の政治家に対する不満を集めて共和党予備選のトップを走る「不動産王」ドナルド・トランプ氏、本選に進出して民主党のヒラリー・クリントン前国務長官と激戦を繰り広げます。市場ではトランプ氏が当選した場合の政治リスクが嫌気され、米株式・ドルが売られますが、最後はクリントン氏が僅差で勝利。安心感から買い戻されるとのシナリオです。

 

その2:イエレン議長は安全運転、2016年の米利上げは2回に止まる

2016年も商品や新興国通貨への懸念はくすぶります。そうした中、米準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は極めて慎重に金融政策の正常化を進め、2016年の利上げ回数は2-3回との予想が多いようですが、利上げ回数は2回、利上げ幅は合計で0.5%に止まりそうです。このペースなら金融市場の波乱要因となることはないでしょう。

  

その3:成長戦略が評価されて日本株は大幅高、日経平均は25千円へ

最近は話題にならない成長戦略ですが、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意や法人実効税率の前倒し引き下げなど着実に進んでいます。成長戦略の進捗が評価されれば、安倍晋三首相への期待感が高まり、2013年のような大相場もあり得ます。2015年は空振りでしたが、2016年も日本株に期待します。

 

日経平均株価の推移 独10年債利回りの推移

 

その4ECBは追加緩和を見送り、欧州の債券利回りは上昇

12月の追加緩和ではバイトマン独連銀総裁などの反対により国債買い入れ規模の拡大に踏み込めず指導力不足を露呈したドラギ総裁。追加緩和のハードルは高そうです。2016年も大規模な追加緩和に踏み込むことはできず、ドイツなどの国債利回りは上昇すると見ます。

 

その5:「インバウンド」から「アウトバウンド」へ、海外展開を進める内需関連株が大幅高

2015年は日本郵政や東京海上など内需関連株による海外企業のM&A(買収・合併)が目立ちました。今後の国内市場縮小を見越して海外に打って出ようとする動きですが、こうした企業の株価はいずれも今年大きく上昇しました。2016年はこうした動きが加速、2016年の「インバウンド銘柄」に替わって海外進出に積極的な内需株、「アウトバウンド」銘柄が日本株をリードします。

 

2015年の日本企業による外国企業の買収金額上位5件 VN指数とFTSE KLCI指数の推移

 

 

その6:早くもTPP効果!ベトナム株、マレーシア株が上昇

環太平洋経済連携協定の恩恵が最も大きいとみなされているベトナム。元々中国からの製造拠点シフトの受け皿として注目されていますが、TPP大筋合意でこの動きが加速しそうです。同じくタイなどからの製造拠点シフトが見込まれるマレーシアと共に2016年は株式が大幅高となりそうです。

 

その7EU残留に「ノー」、国民投票結果を受けてポンドが対ユーロで売られる

キャメロン英首相は2017年までにEU離脱の是非を問う国民投票の実施を表明していますが、16年中に実施との見方が有力です。世論調査ではこれまで残留派が優勢でしたが、難民やテロの問題などから、最近は離脱派が増えています。国民投票で離脱支持が多数となれば英国経済が打撃を受けるのは確実。ポンドは大幅安となりそうです。

 

ポンドの対ユーロレート 豪ドルの対米ドル騰落率

 

その8:脱資源国、ターンブル首相への期待感から豪ドルが対米ドルで4年ぶり上昇

9月に就任したターンブル首相は元ゴールドマン・サックス幹部。脱資源国に向けて「技術立国」を掲げ、ベンチャー投資の優遇税制などを打ち出しました。7-9月の実質GDP成長率は前期比0.9%と景気も好調な豪州、2016年は4年ぶりに対米ドルで豪ドルが上昇です。

 

その9:今度は「竹野内ロス」!? いい男不在でお一人様関連株が上昇

今年は福山雅治さんが結婚、世の女性に衝撃を与えました。またフライデー(201611日号)は竹野内豊さんと倉科カナさんの入籍が近いと報じています。この調子で行けば大物独身男性芸能人がいなくなり、世の女性が生涯独身を選択する恐れもあります。そこで2016年は独身向けマンション販売の住友不動産、旅行のエイチ・アイ・エス、医療保険に強いアフラックなどに注目です。

 

その10:「山の日」設置で更なる登山ブーム、関連株が買われる

2016年は811日が「山の日」として祝日になる予定です。日本は既に登山ブームですが、山の日で更に登山人気が沸騰。登山用品販売に強みを持つヒマラヤ、アウトドア用品のスノーピーク、富士山周辺でビジネスを展開する富士急行などが恩恵を期待できそうです。

 

以上が2016年に予想される「10サプライズ」ですが、最後に昨年1224日付「市場のここに注目!」の「2015年に予想された10サプライズ」の結果について検証しておきます。

 

2015年に予想された10のサプライズ

 

 

自己評価では37敗。2年連続の負け越しとなりました。37敗は過去最低だと思いますが、個別に見ても、「プーチン大統領辞任」、「日経平均28千円」など派手に外したものが多かったと思います。 

 

「市場のここに注目!」は年内あと1回作成の予定ですが、先に年末のご挨拶をさせて頂きます。本年も「市場のここに注目!」をご愛読いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。良いお年をお迎えください。 

 


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