通貨と株式市場-「通貨安=株高」は本当か?(その1)

バックナンバーに戻る

2016/5/12

経済調査部

部長 門司 総一郎

 

 

日本の株式市場では「株価は円レート次第」、「円安にならないと日本株はダメ」といった声がよく聞かれますが、足元でも円高に伴って今期の企業業績や日本株に悲観的な見方が一段と増えています。実際に過去の動きを見ても円高の時に株安、円安の時に株高になる傾向があります

 

しかし、世界的には日本は例外で自国通貨安の時でなく、自国通貨高の時に株高となる国が多数です。また日本でも円レートが日本株に与える影響は誇張されていると考えています。そこで「市場のここに注目」では今回から複数回にわたって、通貨と株式市場の関係について考えてみます。

 

円の対ドルレートとTOPIX

  

まずTOPIXと円の対ドルレートの関係を見てみます。2005年以降の両者の動きを見ると、確かに円と日本株はきれいな逆相関の関係にあります。しかしこの関係が全ての国で成立している訳ではありません。

韓国ウォンの対ドルレートとKOSPI

 

例えば韓国です。韓国は日本以上に輸出企業が多いため、ウォン安で株価が上昇するとのイメージを強くを持たれていますが、実際には逆、ウォンと韓国株は順相関の関係にあります。例えばリーマンショックの2008年から09年にかけてはウォンも韓国株も急落していますし、そこから2011年にかけてウォンも韓国株も回復基調を続けました。その後は共に狭いレンジでの動きとなっており、ウォン安株高となっている場面はほとんどありません。その他にブラジル、豪州などにも自国通貨が強い時に株価が上昇する傾向があります。

ブラジルレアルの対ドルレートとBOVESPA

 

日本では自国通貨安は株価にプラスとの見方が圧倒的ですが、このように世界的には日本は例外で「通貨高=株高」の国が多数です。日本同様に自国通貨安=株高の傾向がある国にはスイスや米国などがあります。次回はそうした国の状況を見てみます。

以上

 


本資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、当社が信頼できると判断した 情報源からの情報に基づき作成したものです。情報の正確性、完全性を保証するものではありません。 本資料に記載された意見、予測等は、資料作成時点におけるレポート作成者の判断に基づくもので、 今後予告なしに変更されることがあり、また当社の他の従業員の見解と異なることがあります。 投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断で行うようお願い申し上げます。

PICKUPコンテンツ