株式市場見通し(16年10月12日)

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2016/10/12

経済調査部

部長 門司 総一郎

 

 

足元の日本株は好調です。日経平均は昨日17000円を回復しました。今回の「市場のここに注目!」は足元の日本株上昇の理由と今後の見通しについて考えます。

日経平均の推移

 

株価上昇の理由は世界経済の回復期待、原油高、及び金利低下リスク後退の3つです。米供給管理協会(ISM)が発表する総合景況指数は米国経済の動向を示すものとして注目度が高い経済指標です。9月はこの指数が製造業、非製造業共に予想を上回って上昇したことから、日本では海運、電器、輸送用機器など世界経済への感応度が高い業種の株価が上昇しました。これが世界経済の回復期待が日本株上昇の背景の1つと考える理由です。

10月3-11日の騰落率上位/下位10業種

 

2番目の原油高ですが、原油価格の指標の1つである米国のウェスト・テキサス・インターミディエイトの先物価格(直近限月)はロシアが石油輸出国機構(OPEC)の減産に加わるとの観測から1バレル=50ドルを回復、これを受けて鉱業、石油・石炭などの株価が上昇しました。日本株全体に影響しているわけではありませんが、原油高も株高の背景の1つとしました。

 

原油先物価格の推移

 

3番目は金利低下リスクの後退です。騰落率3位には保険、また表にはありませんが、証券(3.9%上昇)11位と、金融株も最近健闘しています。この金融株の上昇は金利低下リスクの後退を好感したものです。

 

低金利が業績に与える影響が懸念され、金融株は低迷を続けていました。しかし、異次元緩和の総括的検証で日本銀行の黒田東彦総裁が低金利の副作用を認めたことから、一段の金利低下懸念が後退、金融株は買い戻されています。

 

以上の分析を踏まえて、最近の日本株上昇の背景は世界経済の回復期待、原油高、及び一段の金利低下リスク後退の3つと見ています

 

最後に今後の見通しです。まず世界経済については、日欧や新興国など米国以外でも経済指標の改善が見られることから、今後も回復は続くと予想しています。また原油価格は1月の安値から既に倍になっているため、これ以上の上昇は難しいと思われますが、それでもロシアを含む主要産油国の間で減産合意がまとまれば、当分は1ドル=40-50ドルでの推移が続くことになるでしょう。その場合、昨年から今年初めにかけてのように原油安が日本株の波乱要因になるリスクは低下します。

 

金融機関の収益などへの悪影響を回避するため、日銀はマイナス金利の深掘りを含む、市中金利を低下させる措置に慎重になると思います。一方、20年物、30年物の国債利回りは足元0.4-0.5%まで回復しましたが、米国の金融政策次第では更なる上昇もあり得ます。そうなれば金融株にとっては好材料です。

 

これまでの日本株の反発は政策への期待感によるものであり、ファンダメンタルズの裏付けがなかったため、一時的なものに止まりました。しかし、今回の上昇は世界経済や金融株の収益力回復などファンダメンタルズの改善を伴ったものです。そのため、いままでの上昇と異なり、来年にかけて持続的な上昇が期待できるものと見ています。

 

以上

 


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