2017年はここに注目-2017年の10サプライズ

バックナンバーに戻る

2016/12/15

経済調査部

部長 門司 総一郎

 

 

恒例の10サプライズです。10サプライズの元祖である元モルガンスタンレーのエコノミスト、バイロン・ウィーン氏は「サプライズ」を「一般には1/3の生起確率しかないと思われているが自分にとっては50%以上である事象」と定義していますが、私は「比較的可能性が高いリスクシナリオ」位の気持ちで作っています。

2017年に予想される10のサプライズ

 

 その1:トランプ政権は迷走、米政治は機能不全に陥るも米国株は上昇

期待と不安が入り混じるドナルド・トランプ大統領ですが、政治経験のなさなどからいきなり迷走して、米政治は機能不全に陥ります。でも大丈夫、オバマ前大統領も上下院を共和党に抑えられた2期目はほとんど何もできませんでしたが、それでも米国株は上昇しました。トランプ氏が思い切ったことをしなくとも(しない方が)自然と米国株は上昇する。これが第1のサプライズです。

S&P500種

 

その2:雇用逼迫と財政出動で世界的に成長とインフレが加速

日米の失業率は歴史的な低水準。賃金も増加基調です。一方、ポピュリズムが拡がる中、財政を活用した景気刺激策の可能性が、世界的に高まっています。このように考えて、2017年賃金増と財政出動からリーマン・ショック以降の低成長、低インフレ、低金利に別れを告げる年になるかもしれないと考えています。

 

その3:米抜きでもTPP、安倍首相のリーダーシップが評価され、日経平均は23000円に

トランプ大統領は予告通りに環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言。TPPは空中分解と誰もが思いますが、安倍晋三首相が奇跡的なリーダーシップを発揮、米国抜きのTPP発足にこぎつけます。安倍首相のリーダーシップが評価されて日経平均は大幅上昇ですが、前回、前々回のサプライズでは日経平均の目標を高めに置いて届かなかったため、今回は23000円と控えめにしました。

 

その4:やっぱり一人はさびしい、英国はEU残留を決定してポンドが上昇

反EU勢力の台頭などからEUはこれまでの方針を修正、移民に対する規制の強化やEU政府のリストラに踏み切ります。これに対して、メイ英首相は「状況は変わった」として2回目の国民投票を実施、今度は残留派が勝利して、ポンドが買い戻されるとのシナリオです。

 

その5:景気から改革へシフト、中国は2017年の成長率目標を6%に引下げ

2016年の中国政府は景気の安定性を重視、鉄道などのインフラ投資や自動車購入に関する減税などの景気刺激策を採りました。一方、2017年については政策の軸足を構造改革に向けて微修正。成長率目標は6%に引下げられると見ています。

 

その6:出口戦略? 日銀は長期金利の目標水準を引上げ

景気やインフレの加速、米国の追加利上げ縮小などから2017年も海外金利の上昇は続きそうです。日本の長期金利にも上昇圧力がかかりますが、そうした中、日銀は10年物国債の目標水準を現在の0%程度から1%程度に引上げ。自然体での出口戦略を進めます。

 

トルコリラの対ドル騰落率(前年末比)

その7:打倒「イスラム国」なる。地政学リスク低下でトルコリラが反発。

イラクのモスル、シリアのラッカの2拠点のみとなった「イスラム国」(IS)。掃討作戦もいよいよ大詰めです。2017年に打倒ISが達成されれば、地政学リスクが軽減して、トルコリラが5年ぶりに対ドルで上昇とのサプライズです。

 

その8:日米の薬価引き下げ圧力から薬品株が2年連続の大幅下落

米国ではトランプ大統領が薬価引き下げに言及、日本でも薬価改定の頻度が2年に1回から毎年に変更されました。2016年のMSCIの薬品株指数(世界指数、現地通貨ベース)は大幅安ですが、17年も厳しい年になりそうです。

 

その9:祝!ノーベル賞、 村上春樹氏の受賞で関連株が買われる

毎年候補として名が挙がる村上氏、2017年はついにノーベル文学賞受賞!となれば書店の文教堂やブック・オフ、また代表作「ノルウェイの森」の題名の元となったビートルズの楽曲をアプリで配信するUSENなどが買われるでしょう。なお類似のサプライズとして「稀勢の里、ついに横綱昇進」も考えました。サプライズからは漏れましたが、稀勢の里関にも期待しています。

 

その10:レゴランド・ジャパンやUSJ再上場でテーマパーク関連株が上昇

ディズニーランドにユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など大型テーマパークは安定した人気を誇っていますが、2017年は名古屋にレゴランドが開業、一段のテーマパーク人気が期待できそうです。再上場検討中のUFJやレゴランドを運営するマーリン・エンターテイメンツも含めて2017年はテーマパーク関連株に注目です。

 

 

 

以上が2016年に予想される「10サプライズ」ですが、最後に昨年1224日付「市場のここに注目!」の「2015年に予想された10サプライズ」の結果について検証しておきます。

2016年に予想された10のサプライズ

 

自己評価では14敗。3年連続の負け越しとなりました。「-」も内容的には×に近いものが多く、よかったのは英国のEU離脱が入っていたことぐらいです。

 

2016年は「想定外」が多い1年だったので、自分が予想したサプライズを更に上回るサプライズが多々発生したというのが正直な感想(言い訳)です。今回のサプライズは前回より少しは的中してほしいと願っています。

  

以上

 

 


本資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、当社が信頼できると判断した 情報源からの情報に基づき作成したものです。情報の正確性、完全性を保証するものではありません。 本資料に記載された意見、予測等は、資料作成時点におけるレポート作成者の判断に基づくもので、 今後予告なしに変更されることがあり、また当社の他の従業員の見解と異なることがあります。 投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断で行うようお願い申し上げます。

PICKUPコンテンツ