トランプ米大統領のここに注目-出るか!?トランプ減税!!

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2017/1/25

経済調査部

部長 門司 総一郎

 

 

今年に入ってからの日経平均は、14日の大発会で高値をつけ、その後は調整を続けていました。しかし、この調整は既に終了、ここから反発すると予想しています。今回の「市場のここに注目」はそう考える理由を説明しますが、理由は3つあります。a.トランプ大統領への過度の期待感が剥落、b.景気・企業業績の改善、c.トランプ減税に向けた動き、の3つです。

 

a. トランプ大統領への期待感が剥落

 

大統領選以降の円安・株高はトランプ大統領の景気刺激策への期待によるものとして「トランプ・ラリー」と呼ばれました。しかし、いつまで経っても具体的な動きはなく、期待は徐々に剥げ、それに伴って日本株も下落しました。

 

頼みの綱だった120日の大統領就任演説やその直後にホワイトハウスのホームページに掲載された6つの「政策課題」においても景気刺激策について目新しいものはありません。逆に北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど、市場が嫌がる政策は最優先で進む事態となり、トランプ大統領への期待感は、すっかり消えてしまいました。

 

もっとも期待が消えたことは悪いことではありません。期待があるから裏切られ、株価が下がるのであり、なくなってしまえばこれ以上裏切られることも、株価が下がることもありません。いわゆる「悪材料出尽くし」の状況になっている訳で、これが日経平均の反発を見込む第1の理由です。

 

 米国の企業景況感指数

 

b. 世界の景気・業績は好調

Markit社が発表する製造業の企業景況感指数は景気や株式市場の先行指標と見なされていますが、昨日発表された1月の速報値は米国が12月の54.3から55.1に上昇、日本が52.4から52.8に上昇、ユーロ圏が54.9から55.1に上昇と、各国・地域とも中立の50を上回って上昇を続けており、世界経済は好調を維持していることを示しています。

 

企業業績についても既に発表が開始された米S&P500指数採用企業の10-12月決算は、アナリストの平均予想で前年比6.3%増、これは7-9月の4.3%を上回るものです。また日本でも内外景気の好調などから好決算が見込まれています。このように景気や業績が好調であることも、日本株の反発を見込む理由の1つです。

 

c. 出るか!?トランプ減税!!

大型減税は市場の期待がもっとも大きい政策の1つですが、税制改革を担当するムニューチン次期財務長官は所得減税について「高所得層には税控除を縮小し、減税はしない」との発言を繰り返しており、トランプ氏との間に若干の乖離があることを感じさせました。トランプ氏は全面的な所得税減税を意識していたようで、上述の「政策課題」では「全ての税区分において税率を引き下げる」とされています (もっとも税控除を縮小して増税になっても、税率は下げるのであれば矛盾はないともいえますが)

 

しかし、トランプ氏は23日の企業幹部との朝食会で、減税について「中産階級と企業の双方を対象に大型減税を実施する」と語っています。ムニューチン氏の発言と合致するものであり、所得税減税について政権内で進展があったことを窺わせるものであります。もしそうであれば近日中に減税の具体案が出てきてもおかしくはなく、そうなれば日本株にとっても好材料でしょう。これが3つ目の理由です。

 

以上3つの理由から今後日本株は反発すると見ています。次に何が出てくるかわからないトランプ氏だけに、まだまだ予断は許しませんが、少なくとも一時的には、日本株が反発する局面との見方です。

以上

 


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