郵政選挙時との比較(その1)-テクニカルとファンダメンタルズ

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経済調査部 部長 門司 総一郎

 

昨年11月の衆院解散時、一部には「2005年の郵政選挙の再来」との期待がありましたが、そうはなりませんでした。2005年と違って盛り上がりに欠けたあの選挙では仕方ないと思いますが、しかし日本株を取り巻く環境をよくよく見ると、実は両者の間に多くの共通点を見いだすことができます。そこで今回と次回の「市場のここに注目!」は両者の共通点について考えてみます。今回はテクニカルとファンダメンタルズについてです。

 

小泉内閣におけるTOPIXの推移(週次、2003年1月-06年12月)

 

まずテクニカルです。小泉純一郎政権では2回の大きな株価の上昇波動がありました。第1波は2003年3月11日から04年4月14日まで、13ヵ月で58%上昇しました。そこから13ヵ月の調整局面を経て第2波が始まります。2005年5月18日から06年4月7日まで、11ヵ月で61%の上昇です。

 

第2次及び第3次安倍内閣におけるTOPIXの推移(週次、2012年10月-16年9月)

 

一方今回の安倍晋三政権ですが、野田佳彦政権末期の2012年11月14日から14年1月8日まで14カ月で81%上昇しました。上昇期間は小泉政権の第1波とほぼ同じ、上昇率はそれを上回ります。

 

その後は昨年10月から11月にかけて水準を切り上げる場面はあったものの、その期間を除けば頭の重い展開が続いています。第1波が終了した2014年1月からは既に13ヵ月が経過しましたが、小泉政権のケースを参考にすれば、そろそろ本格上昇に転じてもおかしくない時期です。

 

次にファンダメンタルズですが、景気の方向性とその強さ(弱さ)を示す景気一致指数の動きを見てみます。小泉政権において一致指数は2003年半ばから04年半ばにかけて上昇。そこから05年半ばまで横ばいで推移して、そこからまた上昇です。この動きから読み取れるのは、2004年から05年にかけて景気が足踏みした期間があったということです。当時この期間は景気の「踊り場」と呼ばれました。

 

景気一致指数の推移(月次、CI)

 

次に安倍政権ですが、一致指数は2012年から14年初めまで上昇した後、14年前半は低下、後半も横ばいで推移しました。この動きは消費増税や悪天候により景気が後退局面入りしたことを示すと考えられます。しかし、一致指数は2014年12月に水準を切り上げており、どうやら景気も停滞を脱却した模様です。この一致指数が示す景気の動きも、小泉政権と安倍政権に共通する点です。

 

株価と景気の動きから見ると、小泉政権で景気は(拡大)→(踊り場)→(拡大)と推移、この踊り場が2004年4月から05年5月の株価調整の原因です。一方、安倍政権では景気は(拡大)→(後退)、株価は(上昇)→(調整)と来たところですが、一致指数の動きを見ると、2005年同様にここから再度景気が拡大、株価も上昇と期待できそうです。

 

以上述べたようにテクニカルやファンダメンタルズにおいて足元の株式市場は2005年と共通する点があると考えています。次回はバリュエーションや政策などを取り上げます。

 


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