株式市場見通し(17年9月15日)

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2017/9/19

経済調査部

部長 門司 総一郎

 

今年に入ってからの日本株は、1-3月調整、4-6月上昇、7-9月はまた調整と、上昇と調整を繰り返してきました。ただ、今週に入って反発に転じ、本日も北朝鮮のミサイル発射にもかかわらず、株価は上昇しました。このまま日本株は調整局面を脱し、上昇局面に移行すると予想していますが、今回の「市場のここに注目」は、そう考える理由を説明します。

TOPIXと日経平均の推移

理由は2つあります。景気・業績の回復と不透明要因の改善です。

 

まず景気ですが、日本の実質GDP(国内総生産)成長率は20161-3月以来プラスを続けています。特に今年4-6月は2.5%151-3月以来の伸びを記録しました。賃金増に伴う消費の伸びや、省力化目的のための設備投資増などから、今後も日本経済は緩やかながらも回復を続けると見ています。

 

企業業績も好調です。良好な4-6月の決算を受けて、大和証券は同社のアナリストがカバーする日本の主要企業210(大和210)の今期経常利益見通しを10.1%増から12.7%増に上方修正しました。自動車、電機、鉄鋼、商社など国内外の景気改善の恩恵を受ける企業の上方修正が目立っています。

 

業績見通しの上方修正にもかかわらず株価が上昇しないため、日本株には割安感が生じつつあります。今年の初めに15倍に達した予想株価収益率(PER)8月末に13.8倍まで低下、第2次安倍晋三内閣が発足してからの平均14倍を下回りました。景気や業績が好調であることを考慮するともっと高く評価されて然るべきでしょう。

 

景気や業績が好調であるにもかかわらずPERを押し下げたのが、内外の不安要因で、具体的には北朝鮮のミサイル実験や核開発の動き、政府機関閉鎖や債務不履行など米国の財政に関する懸念、安倍首相の支持率急低下などです。こういった不透明要因が今年ここまで日本株の上昇を抑え、PERを押し下げたと考えています。

 

しかし、こうした要因には足元改善が見られます。米国ではドナルド・トランプ大統領と議会が財政問題について合意し、当面の債務不履行や政府機関閉鎖が回避されることが決まりました。国内では安倍首相の支持率が徐々に上昇、直近の読売新聞の世論調査では50%を回復しています。

日米の予想PER

 

北朝鮮の問題は依然大きなリスク要因ですが、ここでも大きな前進がありました。今回米国が国連安全保障理事会での制裁強化の採決において、中国やロシアを説得して全会一致に持ち込んだことについては「結束力を内外に明確に打ち出したといえ、高く評価されるべき」(元国連北朝鮮制裁委員会専門家パネル委員の古川勝久氏)などの声があります。株式市場においてもこのこの決議は投資家に安心感を与え、今週に入ってからの日本株の反発や、本日ミサイル発射にもかかわらず日本株が上昇したことにつながったと考えています。

 

このように、景気や企業業績の改善にもかかわらず今年ここまで日本株の足取りが重かったのは様々な不透明要因があったことが理由です。しかし、内閣支持率の低下などそうした要因の一部は既に解消、その他の要因にも改善が見られています。そうした中、今後の日本株は、景気や業績の改善を評価しつつ割安感を修正する形で上昇を続けると予想しています。

 


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