2018年はここに注目!-2018年の10サプライズ

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2017/12/11

経済調査部

部長 門司 総一郎

 

恒例の10サプライズです。10サプライズの元祖である元モルガンスタンレーのエコノミスト、バイロン・ウィーン氏は「サプライズ」を「一般には1/3の生起確率しかないと思われているが自分にとっては50%以上である事象」と定義していますが、私は「比較的可能性が高いリスクシナリオ」位の気持ちで作っています。

2018年に予想される10のサプライズ

その1:第4次産業革命で成長が加速!!18年の世界の成長率は4%台に

IoT(モノのインターネット)AI(人工知能)などの技術革新により、続々と新商品や新サービスが産み出され、社会を大きく変えようとしています。この流れは企業の投資意欲や、個人の消費意欲を刺激することにより、既に経済にプラスの効果をもたらしていますが、18年はこれが加速、世界の成長率は2011年以来の4%台を回復するとのサプライズです。

 

世界の経済成長率(前年比9

その218年も二桁増益! 収益力が評価され 日経平均は30000円台を回復!!

好調な世界経済や個々の企業の努力による収益性改善などから、18年も二桁増益を達成。日経平均は28年ぶりに30000円を回復するとのサプライズです。正直足元の水準から30000円までは距離があり、メインシナリオでは難しいと思いますが、サプライズとしてならありでしょう。

 

MSCI金融株指数と情報技術株指数

 

その3:忘れた頃にやってくる? 金融株が情報技術(IT)株をアウトパフォーム

第4次産業革命を追い風にIT株の好調が続く一方、低金利などの逆風により金融株の不振が続いています。5年連続でMSCI金融株指数の騰落率はIT通信株指数のそれを下回りました。しかし最近は、IT株の割高感への警戒が高まる一方、金利の先高観などから金融株に注目する向きも増えている模様です。18年は6年ぶりに金融株がIT株をアウトパフォームするとのサプライズです。

 

その4:ロシア疑惑深まる!? ドナルド・トランプ大統領の求心力低下で、米税制改革は先送り

ロバート・モラー特別検察官はマイケル・フリン前安全保障担当大統領補佐官を刑事訴追、フリン氏は容疑を認めて捜査に協力することになりました。これにより今後トランプ氏に不利な事実が明るみに出る可能性も出てきたと考えていますが、その場合トランプ氏の求心力が低下して、看板の税制改革が先送りされる恐れもあります。捜査の行方に注目です。

 

その52期目の習近平体制は前途多難、景気テコ入れ策縮小で中国経済は減速

共産党大会を終え、2期目に移行した習近平体制ですが、前途洋々とはいかないようです。成長重視から構造改革などへ政策の軸足を移す見込みですが、その結果景気には下押し圧力がかかると思われます。中国株が11月半ばから下落に転じていることもあり、18年の中国経済は世界の経済・金融市場にとってリスク要因。要注意と考えています。

 

その6:利下げ新興国の株式、通貨が好調

一方同じ新興国でも期待できそうなのが、ブラジル、インド、インドネシアなど、金融緩和を進める国々です。ブラジルでは20144-6月以来3年ぶりに成長率(前年比)がプラスになるなど、緩和の効果が出始めています。18年は利下げ新興国の株式や通貨に期待しています。

 

その7:「日銀よ、おまえもか」!? CPI上昇率1%超えで黒田総裁は出口戦略を決断。

直近の日本の消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率は0.8%。消費増税の影響が残っていた20153月以来の高水準です。景気は好調、賃金の上昇も続いており、インフレ率が1%を超えて上昇してもおかしくないでしょう。その場合、目標の2%には届かなくとも、黒田東彦日銀総裁は金融緩和の縮小に踏み切り、日銀も出口戦略の戦列に参加するとのサプライズです。

 

日本の消費者物価指数 

その8:バブル崩壊、ビットコイン価格が急落

仮想通貨の先駆けビットコインの価格は、分割などを材料に年初の1000ドルから127日の高値16000ドルまで上昇しました。しかし、この上昇は行き過ぎであり、今後急落するとのサプライズです。今なら下落しても景気や金融市場への影響は限定的と思いますが、更に上昇を続けた後での下落となった場合は、影響は無視できないものになる恐れがあります。

 

その9:快挙!! サッカーW杯で日本代表が初のベスト8進出、日本代表関連株が上昇

18年のロシアW杯ではハリルホジッチ監督の下、世代交代を進めた日本代表に期待がかかります。これまで1大会おきに決勝トーナメントに進出していますが、次回は進出の番なのも好材料。日本代表のスポンサーを務めるキリンやファミリーマート、TV中継を引き受けるテレビ朝日に注目です。

 

その10:時代は千葉、「チバニアン」命名で千葉関連株が買われる

約77万年前から12.6万年前の地質学上の期間が「千葉時代」を意味する「チバニアン」と命名される見通しです。日本の地名が付く時代は初めてとのことです。千葉への観光客増の期待から千葉銀行やJR東日本、また地質学へ関心が高まった場合に恩恵を受ける企業として、応用地質に注目しています。

 

以上が2018年に予想される「10サプライズ」ですが、最後に昨年1224日付「市場のここに注目!」の「2017年に予想された10サプライズ」の結果について検証しておきます。

 

2017年に予想された10のサプライズ

 

自己評価では3勝4敗1引き分けで4年連続の負け越しと残念な結果になりました。環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)は無理と思っていましたが、よくここまでこぎつけたと思います。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉の妥結と合わせて、本当にサプライズでした。村上春樹氏は今年もノーベル賞を逃しましたが、代わって受賞したのが元日本人のカズオ・イシグロ氏なので、○にしました。メインシナリオでは日経平均30000円は2019年に達成と考えています。

 

 


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