債券に為替を一部組み入れるとリスクが減る?

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外国債券運用部長 國部 真二

 

為替リスクをフルヘッジしたグローバル国債(以後「ヘッジ外債」と呼びます)運用と聞くと、安定収益を得られると思いがちです。もちろん、債券と為替のリスク(注1)を比較すると、一般に為替のリスクの方が大きいため、為替をフルヘッジしたヘッジ外債のリスクが大きく減ることは事実です。しかし、ヘッジ外債にも、金利変動リスクがあり(ここでは、国の信用リスクはないと考えます)、保有債券は金利変動による時価変動リスクに晒されています。

 

ここで、興味深い表をご覧いただきたいと思います。

 

リターン・リスクの比較

 

過去約15年のデータからわかることは、ヘッジ外債を100%で持つよりも、1割を為替オープン(為替ヘッジしない)で持った方が、リスク(標準偏差)が減って、リターンが向上する、ということです。なぜ、このようなことになるかというと、債券のリターンと為替のリターンには中長期的に逆相関性(注2)があるからです。わかりやすく言うと、ある国の債券価格が上昇(金利が低下)すると、為替レート(対円)は下落する関係があるということです。この関係があるため、ヘッジ外債に為替リスクを少し加えることで、ポートフォリオ全体としては、むしろリスクが低下する、ということになるわけです。

 

このような関係は債券のリターンと株式のリターンの間にも成り立ちます。したがって、ヘッジ外債のポートフォリオをベースにしながら、株式や為替のようなリスク資産をポートフォリオに1割~3割程度組み入れるだけで、ポートフォリオ全体のリスク対比のリターン効率が向上します。

 

このことは、長期の資産形成を目的とした個人の資産運用にも応用できます。つまり、預金・債券を中心にしながら、1~3割は株式・為替のようなリスク資産を持つことで中長期的な安定運用を行うことができます(私個人の資産運用においてもこの考え方を実践しています)。
弊社では、この考え方をベースにして、さらにリスク管理手法を高度化した安定収益型ファンドを運用しております。

 

  • 注1)本稿では、リスクの定義をリターンの標準偏差、とする。つまり、価格変動性の大小を示す指標。
  • 注2)相関係数は類似性の度合いを示す統計的指標で-1から+1の間となる。逆相関性とは、この相関係数が-1から0の間にある状態を示す。
 

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