国内債券運用のリスクとリターンは見かけによらない?

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国内債券運用部 中島 英紀


国内債券運用についてお客様とお話しすると、利回りが下がってリターンは減っているのに、デュレーションがどんどん伸びてリスクばっかり増えているといった声をよく耳にします。確かに、国債の発行年限の長期化に伴い、インデックスのデュレーションが長期化傾向にあることや、利回りが極めて低い水準であることは間違いない事実です。しかし、インデックスのリスクが本当にデュレーションほど高く、リターンが利回りほど低いかと言えば、やや異なる見方もできると思います。

 

一般に、債券市場について話すとき、10年国債で話すことが多いと思います。そこで、10年国債利回りが1%変化した際のインデックス(NOMURA-BPI国債)の騰落率を回帰分析(※1)で求めてみます。修正デュレーションは金利1%変化に対する価格変化率ですので、これはNOMURA-BPI国債の疑似的な修正デュレーションと言えるでしょう。この値は常に修正デュレーションを下回っており、またその差は、長い目で見ると拡大傾向にあると言えます。つまり、リスクは見た目の修正デュレーションが表すほど高くありません。

 

NOMRA-BPI国債の修正デュレーションと10年金利1%変化に対する騰落率

 

次は期待リターンについてです。図2はNOMURA-BPI国債の複利利回りとロールダウン効果を含む所有期間利回り(※2)の推移です。ロールダウン効果は利回り曲線が変わらないという前提で計算されますが、残存年数が長いほど利回りが高くなる順イールドの環境においては必ず存在します。ほぼ0%の短期金利が続く中、傾きが急な利回り曲線が続いており、足下のロールダウン効果を含む所有期間利回りは、複利利回りの約2倍となっています。つまり、リターンは見た目の複利利回りが表すほど低くありません。

 

NOMURA-BPI国債の複利利回りとロールダウン効果を含む所有期間利回り

 

 

このように、実際の国内債券運用におけるリスクとリターンは、インデックスの指標などの見た目からイメージするほど、悪化しているわけではないと言えるのではないでしょうか?

 

  • (※1)インデックスの日次騰落率を被説明変数、10年金利の日次変化幅を説明変数とし、過去250営業日のデータで回帰分析を実施。両変数ともに信頼区間95%で外れ値を除外しました。
  • (※2)NOMURA-BPI国債の全構成銘柄について、期間3ヶ月のロールダウン効果を含む所有期間利回り(非年率)を計算し、各銘柄の構成比率で加重平均した後、年率化しました。

 


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