英スタンダード・チャータード銀行発行の優先証券について

2016/11/2

英スタンダード・チャータード銀行発行の優先証券について

11月1日、英スタンダード・チャータード銀行は、2017年1月に初回の繰上償還可能日が到来する期間の定めのない優先証券(永久劣後債と表記される場合もあります)を、その繰上償還可能日には償還しない方針だと発表しました。
繰上償還を延期する理由は、信用力の悪化ではなく経済合理性にあるものと考えられます。同証券は、最初の繰上償還日以降クーポンが固定金利から変動金利に変わることにより、発行体が支払う金利(クーポン)が著しく低くなる仕組み(現在の6.409%の固定金利が「LIBOR+1.51%」の変動金利となる)となっており、自己資本規制上のメリットは無くなるとしても、新たに普通社債を調達するより繰上償還をしない方が有利であると判断したと思われます。
これまでは同銘柄が繰上償還される前提で売買されていたため、今回の方針を受けて価格が10%程度下落したほか、欧州の銀行セクターで同じような属性(注)の一部銘柄も、影響を受けて下落しました。
(注)最初の繰上償還日以降クーポンが固定金利から変動金利に変わることにより、金利(クーポン)が著しく低くなるもの

 

 

今後の見通し

今後、英スタンダード・チャータード銀行の動きが他行に広がるかどうかは不透明と思われます。一般的に、投資家の期待に反して繰上償還を延期し、その後資本市場で新たな調達を行う場合、投資家は同程度の信用力の発行体よりも高い上乗せ金利を要求するため、結果的に発行体は高い調達コストを支払うことになります。
つまり、近い将来新たな資金調達を計画している場合は、発行体にとって繰上償還の延期は経済合理性を持つとは言い切れないと考えられるからです。
なお、同様の属性を持つ(現在の6.267%の固定金利が繰上償還が延期された場合「LIBOR+1.035%」の変動金利となる)ロイズ・バンキング・グループ発行の優先証券は、9月27日に繰上償還が発表され、11月14日に繰上償還されることとなりました。

 


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