メキシコ -NAFTA再交渉のポイント②-

2017/7/13

 

<NAFTA再交渉の背景> 

トランプ米大統領はNAFTA(北米自由貿易協定)脱退の可能性を大統領就任後改めて表明しており、8月にも米国、カナダ、メキシコの間でNAFTA再交渉が開始されるといわれています。

 

トランプ米大統領がNAFTA再交渉を狙う背景として、米国の製造業の空洞化が挙げられます。NAFTA締結(米国との貿易の自由化)による関税のメリット、米国への地理的な優位性、メキシコの生産年齢人口の厚さなどを背景とした安価な労働力提供などから、メキシコに生産拠点を作る動きが進みました。日本企業も自動車メーカーを始め、メキシコに進出しました。その結果、NAFTAの発効された1994年1月を起点にすると、米国の製造業の雇用者数は約440万人減少しています。

 

NAFTAの発展そのものが米国製造業の雇用者の減少の主因であるのか議論の分かれるところですが、雇用を増やすという主張は米国民からの支持を得られやすく、トランプ米大統領も雇用増加を掲げてNAFTA再交渉をする見込みです。

 

<雇用の喪失と貿易赤字>

米国の製造業の雇用減少を貿易赤字という観点で見ると、中国による財(モノ)の貿易赤字が米国の貿易赤字全体の約半分を占めており、中国に米国製造業の雇用喪失の一端があるという見方もできます。

 

他方、米国製造業で最も想像しやすい自動車関連品目に絞って国別に貿易赤字をみると、メキシコが37%でトップです。ただし、米国の財(モノ)の貿易赤字全体に占める自動車関連品目の割合は27%にとどまっており、メキシコの自動車関連品目が米国の貿易赤字全体に占める割合はそれほど大きなものではないことがわかります。また、メキシコに工場を作り、生産を行う米国自動車メーカーもあり、これらの企業は安価な労働力から利益を獲得しているとも言えます。そのため、メキシコは米国企業や米国株式市場を支える要因となっており、メキシコに対する批判の一部はどちらかといえばイメージが先行したものと考えられます。

 

米製造業雇用者数


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