ブラジル -政治危機の懸念再び-

2017/5/19

 

<政治危機の懸念再燃>

ブラジルの地元紙は17日、テメル大統領が、汚職事件で起訴されたクーニャ前下院議長に口止め料を支払うことを容認していたとする録音テープが最高裁判所に提出されたと報じました。この捜査妨害報道を受け、野党はテメル大統領の弾劾を議会に請求し
ました。
大統領府は「テメル大統領がクーニャ前下院議長の発言を抑えるために支払いを求めたことは断じてなく、調査を行う」と疑惑を強く否定する声明を発表、テメル大統領も辞任を否定しています。

<ブラジルレアルは急落>

テメル大統領の手堅い経済運営もあり、このところブラジル金融市場は堅調に推移していました。足元では、ブラジルの財政再建に不可欠な年金改革法案の審議が進められていましたが、一連の報道を受けブラジルの構造改革が遅れるのではないかという懸
念が高まり、通貨、株式、債券とも急落しました。
ブラジルレアル(以下レアル)急落を受け、ブラジル中銀は通貨スワップ入札を実施。ブラジル財務相は十分な流動性を確保するため必要な措置を講ずるとの声明を発表しています。5月18日の海外終値は1米ドル=3.38レアル、1レアル=33.02円でした。

<今後の見通し>

政治的混乱の行方を注視する必要がありますが、ブラジル経済は回復へ向かっています。3月の経済活動指数は前年同月比1.05%増と2014年2月以来の上昇となりました。
4月のインフレ率も前年同月比4.08%増と10年ぶりの低水準になっており、ブラジル中銀は景気支援のために今後も利下げを行う可能性が高く、利下げによる中長期的な景気回復期待は続きます。
景気回復に加え、利下げを実施してもなお相対的に高いブラジルの金利水準がレアル相場を下支えするものと見込んでいます。

ブラジル政策金利とインフレ率の推移 ブラジルレアルの推移

出所:Bloomberg

 


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