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ブラジル –緩和ペースの減速続く–

2017/12/7

<政策金利を7.00%に引き下げ>

12月6日(現地時間)、ブラジル中央銀行(以下、BCB)は金融政策委員会で政策金利を0.50%引き下げ7.00%とすることを決定しました。前回会合で示唆したとおり、金融緩和ペースを前回の0.75%から減速しました。利下げは10会合連続です。

声明文では「今後の状況が委員会の想定する基本シナリオどおりになるならば、金融緩和ペースをさらに鈍化させることが適切と考える」と説明しています。

但し、「今回のガイダンスは、これまでよりも変化の影響を受けやすい」と述べており、次回2月会合での0.25%の利下げをうかがわせる一方で、年金改革法案の行方や財政の変化等によってはシナリオが変わる可能性も示唆しました。

<ブラジルレアルの動向>

テメル大統領の手堅い経済運営などから堅調に推移していたブラジル金融市場ですが、2017年5月には、同大統領の汚職疑惑の影響から通貨、株式、債券が急落しました。しかしその後は、同大統領の裁判が回避され政治的な不透明感が後退したことや、景気回復への期待感などから回復傾向を辿りました。

10月後半以降のブラジルレアル(以下レアル)は、米国の利上げを織り込む動きなどを背景にやや軟調に推移しています。12月6日の海外終値は1米ドル=3.2353レアル、1レアル=34.70円となっています。

<今後の見通し>

2017年7-9月期のGDP成長率が3四半期連続のプラス成長となるなど、BCBの利下げの効果からブラジル経済は回復傾向にあります。インフレも落ち着いた状況が続いており、利下げは次回の会合で終了されるとの見方が強まっています。

米国は、堅調な経済指標を受け金融引き締め局面にあることから、今後も米ドル高傾向となることが予想され、新興国通貨の上値は重い展開が予想されます。

ただ、ブラジルレアルについては、これまでの利下げによる国内の景気回復に加え、相対的に高いブラジルの金利水準がレアル相場を下支えするものと見込んでいます。

ブラジル 政策金利とインフレ率の推移

出所:Bloomberg

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