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ブラジル -利下げ、インフレ低迷なら追加緩和を示唆-

2018/3/22

政策金利を6.50%に引き下げ

3月21日(現地時間)、ブラジル中央銀行は金融政策委員会で政策金利を0.25%引き下げ過去最低の6.50%とすることを全会一致で決定しました。

声明文ではインフレ率について、「委員会の基本シナリオで年初に予想したよりも緩やかな動きであると判断される」と述べています。

前回2月の委員会では緩和政策の終了の考えを示していましたが、2017年後半から上昇傾向にあったインフレ率が再び低下しており、利下げ余地が拡大したとみられます。

また、次回の見通しについては、インフレ率の方向は両サイドにあるとしながらも「現時点では次回会合で若干の追加緩和が適当だとみている」と述べています。

ブラジルレアルの動向

ブラジルレアル(以下レアル)は、1月は良好な経済指標や構造改革の進展に対する期待などから強含む場面もありましたが、その後は鉄鉱石価格の下落や、足許ではブラジル石油公社が第4四半期決算で純損益赤字となったことなどの影響を受けやや軟調に推移しました。

3月21日の海外終値は1米ドル=3.2730レアル、1レアル=32.40円となっています。

今後の見通し

これまでの利下げの効果などからブラジル経済は緩やかな回復傾向にあります。一方で、インフレ見通しは前回会合から引き下げられ、一層緩やかな上昇が予想されています。金融緩和政策は最終局面とみられるものの、低インフレが続けば次回会合で追加利下げを行う可能性もあり、今後はインフレ指標を注視しながらの微妙な舵取りになるとみられます。

為替については、米国が金融引き締め局面にあることから今後も米ドル高傾向となることが予想され、新興国通貨は上値の重い展開が予想されます。

ただ、ブラジルレアルについては、利下げによる国内の景気回復に加え、相対的に高いブラジルの金利水準がレアル相場を下支えするものと見込んでいます。

ブラジルの政策金利とインフレ率の推移、ブラジルレアルの推移

出所:Bloomberg

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