企業業績のここに注目-二桁増益が見込まれる2018年度の企業業績-

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2018/9/11

経済調査部

シニア・エコノミスト

門司 総一郎

はじめに

8月24日付の当コラム「企業業績のここに注目ー2018年4-6月期決算は良好ー」では日本企業の2018年4-6月期の決算が総じて好調だったことを紹介しました。この決算を受け、各証券会社のアナリストが、業績見通しの見直しを進めていましたが、最近大和証券、SMBC日興証券、野村證券(以下、証券及び證券を省略)の3社が見直し後の業績見通しを発表しました。今回の「市場のここに注目」では、この3社の新しい業績見通しを見てみます。各社の業績見通しは下表の通りです(いずれも経常利益の前年同期比増減率、対象となる企業や企業数は会社毎に異なる、いずれも除く金融ベース)。

各証券会社の経常増益率の見通し比較

今期は各社とも二桁増益の見通し

各社とも業績見通しを上方修正し、今期については二桁増益を見込んでいます。なお来期の増益率は各社とも下方修正されていますが、これは必ずしも業績の悪化を示すものではありません。大和であれば、2018年度の経常利益額は37.5兆円から38.4兆円に、2019年度も41.5兆円から41.6兆円と、共に上方修正されていますが、2018年度の上方修正の度合いが大きいため、2019年度の増益率は低くなっています。SMBC日興や野村も2019年度の増益率を下方修正していますが、大和と同じ理由によるものと思われます。また、企業業績だけでなく、景気も好調を維持しています。9月10日に発表された2018年4-6月期のGDP成長率(二次速報値)は前期比年率+3.0%と、一次速報値(同+1.9%)から大幅に上方修正されており、日本の景気の好調さがうかがえる結果となっています。

好材料にも注目を

このように景気も企業業績も好調ですが、日本の株式市場は一進一退を続けています。これはトランプ米大統領の通商政策などへの懸念が根強いためです。ただ「貿易戦争が拡大すると世界経済は大変なことになる」といわれながらも貿易戦争は拡大せず、世界経済も一部の新興国などを除けばほとんど悪化していません。リスクを警戒することは大切ですが、現在の金融市場は実現していないリスクを警戒するあまり、実現している好材料を無視し過ぎているように思います。今後はもう少し景気や企業業績といった好材料にも注目すべきでしょう。

 

 


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