トランプ米大統領のここに注目-政権レームダック化で予想される金融市場への影響-

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2018/9/25

経済調査部

シニア・エコノミスト

門司 総一郎

 

はじめに

前回の当コラム「政権のレームダック化で見えてきた貿易戦争の終わり」の続編です。

前回は結論としてトランプ政権のレームダック化(死に体化)により世界の株式市場は上昇すると述べましたが、影響が予想されるのは株式市場だけではありません。様々な金融市場に影響が出てくると思われます。そこで今回の「市場のここに注目」はトランプ政権のレームダック化について、株式以外の市場も含めた金融市場全体にどういった影響を与えるか考えてみます。

主要国通貨への影響は小さい

ドル円やユーロ円などは貿易戦争勃発後も各国の金融政策を材料に動いており、貿易戦争などトランプ氏の政権の影響はあまり受けていないように見えます。そのため、今後トランプ政権のレームダック化が進んでも、その影響は小さいと考えています。

新興国通貨には支援要因

一方、レームダック化が支援要因になると思われるのが新興国通貨です。これまでトランプ氏の政策は2つの経路で新興国通貨の重石となっていました。1つは米国と新興国の間での通商問題です。人民元やメキシコペソなどが米国との貿易摩擦を理由に下落しました。もう1つは外交です。ロシアやトルコは米国から経済制裁を受けていますが、これが通貨安の一因となっています。 トランプ政権のレームダック化が更に進めば、貿易摩擦や制裁への懸念が後退し、こうした通貨が買い戻されることがありそうです。

商品市場では原油に注目

商品市場では原油が注目されます。トランプ政権発足以来、原油価格は上昇を続けていますが、最近の上昇については、米国がイランとの核開発合意を離脱し制裁を復活させたことで、イラン原油の輸出が困難になっていることも理由とされています。もしそうであれば、トランプ政権のレームダック化がイラン制裁への緩和期待につながり、原油価格が下落するようなこともありそうです。

株式市場では輸出関連に注目

株式市場全体としては先ほど述べたように上昇を見込んでいますが、業種としては貿易戦争が終結するとの見方なので、自動車など輸出関連に注目と考えています。

 

 


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