リーマン・ショックの再来はない?-リスクの芽を摘む投資家のリスク回避姿勢-

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2018/10/1

経済調査部

シニア・エコノミスト

門司 総一郎

はじめに

2008年のリーマン・ショックから早10年が経過しました。新聞や雑誌で特集が組まれていますが、「市場のここに注目」も今回はリーマン・ショックを取り上げます。

リーマン・ショックの再来はない?

リーマン・ショックは複数のバブルが同時期に発生、崩壊したものです。日本を例に見ても、バブル崩壊は1つでも大きな被害をもたらしますが、複数のバブルが同時期に崩壊したことが、リーマン・ショックを100年に1回と呼ばれるような危機にしました。リーマン・ショックで崩壊したバブルには、以下のようなものがあります。

 

●米国の住宅バブル

●クレジット・バブル

 「サブプライムローン」など金融工学を活用した金融商品が人気化

●商品(原油)バブル   

 近い将来原油が枯渇するとの予測(オイル・ピーク説)を背景に原油価格が1バレル=145米ドルまで上昇

●新興国バブル

●円安バブル   

 外国為替証拠金取引などから個人の間でも為替取引が活発化、2007年6月には1米ドル=123.9円まで円安が進む。

 (当時、当社の若手社員に「門司さんは知らないみたいですが、通貨は金利が高い方が強いんですよ」と説教されたことがあります)

 

現在の市場にバブルはあるか

このように様々なバブルが同時期に崩壊したのがリーマン・ショックと考えていますが、そうすると、バブルの発生がリーマン・ショック再来の条件ということになります。しかし、現在の金融市場にはバブルらしきものは見当たりません。中国など新興国の経済は一般にリスクではあると認識されていますが、バブルというようなものではないでしょう。多少なりともバブルらしく見えるのは一部のIT関連株や仮想通貨などですが、IT関連株の一部に割高と思えるものがあるものの、全体として割高とは言えないと考えています。またビットコインなどは大幅下落しており、既にバブルが崩壊したようにも見えます。

リーマン・ショック再来の可能性は低い

このように現在の金融市場にバブル的な状況が見られないのは、リーマン・ショックの記憶がまだ新しく投資家のリスク回避姿勢が強いためと思われます。こうした状況においては、リーマン・ショックが再来する可能性はかなり低いと考えています。

 


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