【続編】世界の株式市場は米国の中間選挙から年末にかけて上昇局面を予想

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2018/10/29

 

はじめに

10月11日付の前回当コラムでは、米国の中間選挙から年末にかけて世界の株式市場は上昇すると予想しました。しかしそれ以降、世界的に株式市場は下落を続けています。今回の「市場のここに注目」は前回コラムを検証しつつ、今後の株式市場の見通しについて改めて考えてみました。

<米中摩擦と米金利上昇>

前回コラムで世界的な株価下落の原因として挙げたのは、米中摩擦の激化と米長期金利の上昇です。まずこの2点について考えてみます。

<米中摩擦はいったん下火に>

前回のコラムを作成したのはペンス副大統領が中国の内政干渉を非難する演説を行うなど、トランプ政権による中国批判が最高潮に達した時期でした。この米中摩擦について前回コラムでは、中間選挙を意識したトランプ氏が米国民に対するアピールのため、中国への非難を強めたものであり、遅くとも中間選挙までには収まると考えていました。実際、その後トランプ氏の中国非難は徐々に下火になってきており、想定通りといえます。

<米金利上昇の影響>

米金利上昇の影響については、持続的な株安をもたらす2つの金利上昇(景気悪化をもたらす金利上昇と株式のバリュエーション調整をもたらす金利上昇)のいずれにも該当しないため、この金利上昇が株式市場に与える影響は一時的と述べました。先週末の米10年債は3.0%まで低下しています。この程度の水準であれば、長期金利が株式市場の悪材料となることはないでしょう。

<リスクは決算発表>

このように米中摩擦や米金利は現在落ち着いており、これだけであれば株式市場は上昇してもおかしくない状況です。それにも拘わらず株価が下落を続けているのは、企業業績への懸念が浮上したためです。米国ではテキサス・インスツルメンツやキャタピラー、アマゾン・ドットコムなどの決算が失望的な内容を含んでいたことから、株価は下落し、市場全体にも影響を与えました。日本の決算発表も本格化し始めたところですが、安川電機やキヤノンなどが業績見通しを下方修正したことから、景気への懸念が広まりました。

<業績への懸念は行き過ぎ>

しかし、決算の一部に失望的な部分があるにせよ、全体としてみれば米国の決算発表は良好です。トムソン・ロイターの集計では、10月24日までに決算発表を終えたS&P採用企業140社のうち80.7%の企業が事前予想を上回っており、下回ったのは11%にとどまっています。また日本でも先週は信越化学、日立、リコーなどが好決算を発表しました。まだ序盤ですが、出足は好調といえます。

<まとめ>

ここまでいろいろ申し上げてきましたが、10月初めに世界的な株価下落が始まった時に悪材料だった米中摩擦や米長期金利が落ち着いた状況にあること、日米ともに業績に対する懸念は行き過ぎと思われることなどから、足元の株価下落は行き過ぎであり、ここから上昇に転換し、年末にかけて上昇が続くと予想しています。

 

 


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