物別れに終わった米朝首脳会談と今後の金融市場

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2019/3/1

経済調査部

シニア・エコノミスト

門司 総一郎

はじめに

2月28日に行われた米朝首脳会談は非核化や制裁解除などについて意見が一致せず、物別れに終わりました。会談前は楽観的なムードが強かったので意外な結果でしたが、今後も協議は続けるとのことなので、決裂という訳ではありません。今回はこの首脳会談が金融市場に与える影響について考えてみます。

直接的な影響は小さい

合意できなかったからといって、直ちに米ドル安円高や株安に振れるわけではありません。交渉そのものは今後も続くわけですし、ただちにミサイル実験や核開発が再開される可能性も低いでしょう。今回の首脳会談の結果が金融市場に直接与える影響は小さいとみています。

米中通商交渉への影響には注意

一方注意した方がよいと思われるのが、米中の通商交渉を通じた影響です。トランプ氏は米朝と米中、2つの首脳会談でポイントを狙っていたと思いますが、出足で躓いてしまいました。この失点を取り返そうとして中国に対するハードルを引き上げた結果、こちらも上手くいかなくなるということがリスクとして考えられます。ただ逆に、これ以上取りこぼしはできないとハードルを引き下げることも考えられるため、何とも言えないところです。なお、米中交渉の期限ははっきりしませんがトランプ氏は3月中の首脳合意を目指しているとの報道があります。

トランプ政権のレイムダック化を示した今回の首脳会談

今回の首脳会談は合意文書まで用意していたにもかかわらず、両首脳の隔たりが大きかったため合意できませんでした。事務方の大きな不手際といえるでしょう。当コラムはトランプ政権の求心力低下、レイムダック化を株高の条件と考えていますが、今回の首脳会談もトランプ政権がそうした方向に進んでいることを示すものと考えています。

 

 


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