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トルコ -トルコ中央銀行が毅然と利上げを実施-

2018/6/8

<利上げの背景>

6月7日(現地時間)、トルコ中央銀行(以後中銀)は金融政策決定会合を開き、1週間物レポ金利を16.5%から17.75%へ、後期流動性貸出金利を19.5%から20.75%へそれぞれ1.25%引上げました。今回の利上げに中銀は、「物価安定の目標に準じ、あらゆる手段を活用する」とインフレファイターとしての断固たる姿勢と、「必要に応じ、追加的な引き締めを実施する」とトルコリラ安に対する通貨防衛への強い意思を示しました。6月7日の海外終値は1米ドル=4.4842トルコリラ、1トルコリラ=24.4342円といずれもトルコリラ高となっています。

<不安要素が多いトルコリラ>

一方で、現在のトルコリラは、加速気味のインフレに加えて、①米金利上昇による米ドル高圧力、②旺盛な個人消費や原油高による経常赤字の拡大懸念、③欧米との関係悪化、④中東情勢の緊迫化、⑤エルドアン大統領による中銀への利下げ圧力等にさらされており、市場の警戒感はすぐには解消しにくい状況です。

<今後の見通し 当面は不安定な動きが続く>

今回の利上げでは、中銀が毅然と利上げを行い、その独立性維持を国内外に示しました。これによりトルコリラへの投資魅力が高まったと思われる一方で、経常赤字の縮小等、早期解決が難しい不安要素も多く、当面は不安定な動きが続くと思われます。

トルコ政策金利の推移

出所:Bloomberg

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