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FOMC -今年4回目の利上げ-

2018/12/20

政策金利を0.25%引き上げ

12月18~19日(現地時間)に年内最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、市場予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標のレンジを2.00%~2.25%から2.25%~2.50%に0.25%引き上げることを全会一致(賛成10、反対0)で決定しました。利上げは今年に入って4回目となります。

市場予想ほどハト派化せず

足許では世界経済の減速懸念などを背景に米国株が調整局面入りしたことから、当局は利上げに慎重な姿勢を示すのではとの見方が市場で広がっていました。今回のFOMCでは米株にとってポジティブ要因となるハト派化のシグナルが示されるかどうかが注目されていました。

まず1つ目のシグナルである今後の利上げ回数の見通しは、2019年は前回予測の3回から2回に下方修正されました。金融当局は来年の見通しを下げることで利上げ休止が近づいている可能性を示唆しました。しかし2020年はなお1回の利上げが見込まれ、景気を加速も減速もさせない中立金利を若干上回る水準まで利上げが進むことが示されました。

次に2つ目のシグナルである声明文においては「さらなる漸進的利上げ」という文言が削除されず、市場が期待するようなハト派化に沿う内容は見られませんでした。

また、パウエル米連邦準備理事会(FRB) 議長の記者会見では、「我々は中立金利レンジの下限に達した」との発言こそあったものの、ほかの記者質問に対してはむしろタカ派的な発言が全体的に目立ちました。

今後の見通し -目先、米ドル円は頭の重い展開か- 

市場ではより踏み込んだ利上げ休止(ハト派)への傾斜に対する期待が強かったことから株の失望売りが進み、債券買いが優勢となりました。米ドルは一時対円で上昇しましたが、利上げはほぼ予想通りであったことから、その後戻す展開となりました。日本時間12月20日9時時点で1米ドル=112.44円、1ユーロ=1.1383米ドルとなっています。

世界経済の減速への懸念が高まる中、金融市場は株式相場を中心に不安定な推移になるとみられ、米ドル円も頭の重い展開になると考えられます。一方で、FRBによる継続的な利上げを背景に拡大した日米金利差は米ドル円の一定のサポート要因になると見られます。

米ドル円、米10年国債利回りの推移

出所:Bloomberg

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