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カナダ-追加利上げ、通商政策は引き続き注視-

2018/7/12

政策金利を0.25%引き上げ

7月11日、カナダ中央銀行は政策金利を1.25%から1.50%に0.25%引き上げることを決定しました。

カナダ中銀は2017年7月以降3回利上げを行ってきましたが、今年1月以降は据え置いてきました。

今回の利上げ理由について、声明文では「住宅価格は安定しつつあるものの、米国の利上げに伴うカナダドル安や通商摩擦の影響などから物価が上昇傾向にあるため」と説明しています。インフレ率については、今回「ハト派寄り」の文言は新たに追加されなかったものの、中銀は「目標値近辺を維持するために利上げは正当化されると政策委員会は見ており、統計に基づき今後も段階的なアプローチを取る」との姿勢を示しています。

カナダドルの動向

市場ではカナダの経済指標が好調なことや中銀関係者のこれまでの発言を受けて今回の利上げがコンセンサスとなっており、足元のカナダドルは対円、対米ドルで強含んで推移していました。

また今後の金融政策に対する中銀の積極姿勢が確認できたことで、緩やかな利上げ継続への市場の期待が高まり、カナダドルは対米ドルで一時上昇しました。7月11日の海外終値は、1米ドル=1.3209カナダドル、1カナダドル=84.81円となっています。

今後の見通し -通商リスク残るものの、追加利上げ期待続く-

カナダ政府は7月1日、米国によるカナダ産の鉄鋼およびアルミニウム製品への関税賦課に対し、対米輸入に対する報復関税を発動しました。引き続き米国との厳しい交渉が予想されており、交渉の結果次第ではカナダドルは大きく変動することが予想されます。

一方、カナダ経済は、堅調な個人消費や外需、国内の設備投資などに支えられ、今後も堅調に推移すると予想されており、カナダ中央銀行に対する追加利上げへの期待が続くと見られます。

通商問題は引き続きリスク要因ですが、カナダ経済の成長が見込まれることや追加利上げに対する期待感などを背景に、カナダドルは底堅く推移すると予想されます。

カナダ政策金利の推移

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