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メキシコ -インフレ抑制のため政策金利を引き上げ-

2017/12/15

<政策金利を0.25%引き上げ>

メキシコ中央銀行は12月14日(現地時間)、政策金利を7.00%から7.25%に0.25%引き上げることを決定しました。

声明文では「第3四半期のメキシコ経済は、一部の需要減退や巨大地震の影響、原油生産の減少などにより減速した」と指摘しています。その一方、インフレ率については「8月のピークから下落していたが、エネルギー価格や野菜価格の上昇などから再び上昇に転じている」とし、最低賃金の上昇の影響もあり、2017年末のインフレ率は上昇すると予想しています。

メキシコ中央銀行は、足元で再び上昇に転じたインフレ率を抑制するために、利上げを決定したとしています。

<メキシコペソの動向>

政策金利の引き上げは市場予想通りでしたが、発表後のメキシコペソは対米ドルで下落しています。

12月14日の海外終値は1米ドル=19.14メキシコペソ、1メキシコペソ=5.8706円となっています。

<今後の見通し>

今回の利上げは米利上げに追随するという側面よりも、足元のインフレ率の上昇やNAFTA再交渉リスクなどを勘案した予防的利上げの意味合いが強いと見ています。ただし、メキシコ中銀はインフレ率が2018年末に中銀目標である3%に近い水準に向かうとの見解を維持しており、中銀の見通し通りインフレ率が落ち着く展開となれば緩和的な金融政策へと舵を切ると考えられます。

来年にはNAFTA再交渉やメキシコ大統領選が本格化する中で、メキシコペソは不安定な展開になる場面も見られると思いますが、金融市場が不安定化した場合には中銀は更なる追加利上げの可能性も排除しないとしていること、為替介入の余力も十分に残していること、また、新興国の中でも相対的に高い金利水準や格付けの高さなどがメキシコペソの支援材料となる見込みです。

インフレ指標と政策金利の推移

出所:Bloomberg

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