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メキシコ -インフレリスクへの警戒から利上げへ-

2018/6/22

政策金利を7.75%へ利上げ

6月21日(現地時間)、メキシコ中央銀行(以降中銀)は、政策金利を0.25%引上げ7.75%としました。背景にはメキシコペソの下落に伴うインフレリスクの高まりがあったと思われます。中銀は今後も「物価安定やインフレ期待へのリスク要因が持続する場合に、迅速で着実な行動を取る」としています。

利上げを受けメキシコペソは反発

6月21日の海外終値は1米ドル=20.3102メキシコペソ、1メキシコペソ=5.4135円と、6月14日に付けた海外終値の年初来安値からそれぞれ2.7%高、2.2%高といずれもメキシコペソ高となっています。

今後の見通し 引き続き政治的リスクに注目

6月12日(現地時間)に開催された大統領候補者による討論会では、ロペス・オブラドール候補(元メキシコシティ市長)が「NAFTAは維持する方針だが、メキシコには多くの天然資源や富があり、NAFTAの崩壊はメキシコにとって致命的ではない。NAFTA再交渉が不調に終わっても、国内市場に目を向け、地方経済を活性化させる。」と述べ、支持を拡大させています。

一方で6月13日(現地時間)には、国際サッカー連盟(FIFA)が2026年W杯を米国、カナダ、メキシコの3か国共催で行うと発表しました。スポーツでの融和が実現する中、政治面での駆引きは継続しています。NAFTA再交渉の行方や、7月のメキシコ大統領選挙と11月の米国中間選挙に注目しています。政治的なリスクがある程度収まりを見せるまでは、メキシコペソは短期的に大きく変動する場面も見られると思います。

メキシコペソの年初来推移

出所:Bloomberg

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