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メキシコ - NAFTA再交渉、米メキシコ貿易協定合意へ -

2018/8/28

NAFTAに代わる新たな貿易協定

8月27日(現地時間)、トランプ米大統領はメキシコとNAFTA(北米自由貿易協定)に代わって新たな貿易協定を結ぶことで合意したと発表しました。カナダとの協議も再開する方針です。

主な内容としては、自動車の原産地規則について現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げることや、製造工程の40-45%を時間当たり賃金が最低16米ドル以上の地域で生産することなどが合意されました。また、米国が主張していた、参加国が5年ごとに協定更新で合意しない限り自動的に協定が廃止になる「サンセット条項」については、6年ごとの見直しに緩和されました。

メキシコペソは反発

今回の合意を受けて貿易摩擦問題に対する懸念が後退し、メキシコペソは上昇しました。また、米国株式市場ではS&P500種指数が最高値を更新しました。

27日の海外終値では、1米ドル=18.7653メキシコペソ、1メキシコペソ=5.9186円と、8月24日の海外終値に対してそれぞれ0.8%高、0.6%高といずれもメキシコペソ高となっています。

今後の見通し カナダとの協議の行方に注目

トランプ米大統領の就任以来の懸案事項だったNAFTA再交渉で、今回のメキシコとの合意は最大の前進となり、メキシコにとっても明るい材料となりました。

但し、トランプ米大統領は今回の米メキシコ貿易協定について議会の承認を得る必要があります。また、カナダはNAFTAの見直しについてはカナダの署名が必要と主張しており、新たな合意はカナダに有利な場合にのみ署名するとの方針を表明しています。トランプ米大統領はカナダにも協定に参加するように求めており、今後のカナダとの協議の再開とその行方が注目されています。

まだいくつかのハードルが残っているため注意は必要ですが、協議がさらに進展すれば、NAFTAを巡る不透明感が払拭され、メキシコペソのサポート要因になるとみられます。

メキシコペソの年初来推移

出所:Bloomberg

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