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メキシコ -メキシコ中銀が今年3回目の利上げを実施-

2018/11/16

強まるインフレ懸念に対応

メキシコ中央銀行(以下中銀)は11月15日に行われた金融政策決定会合において、今年に入り3回目の利上げを実施しました。利上げ幅は0.25%で、8.0%としました。利上げは、今年2月と6月以来で、利上げ幅は合計で0.75%となりました。政策金利が8%台になるのは2009年1月以来となります。これを受け、メキシコペソは、対円および対米ドルで共に1%弱の上昇となりました。

今回の利上げの背景

年初は6.8%と高かったインフレ率は6月には4.5%まで低下し落ち着いていましたが、足元では緩やかに上昇し、10月は4.9%となっています。中銀の声明では今後、エネルギー関連コストの上昇とメキシコペソ安により、インフレ率を押し上げるリスクが高まったとして、ペソ安防止の対策も含めて利上げを行ったとしています。加えて声明では、ペソ安の一因として、メキシコシティ新空港の建設をロペス・オブラドール次期大統領が10月に中止したことを挙げています。中銀は新政権の政策運営がインフレを押し上げる恐れがあると指摘しており、新政権発足後も追加利上げを行う可能性を示唆しました。

今後の見通し -新政権の政策を注視-

今後のメキシコペソは、中銀のタカ派的な姿勢や、メキシコ10年国債利回りが9%台に達するなど高い金利水準が一定のサポート要因になると思われます。一方で、新空港建設中止に伴い新政権への不透明感が高まっており、12月の新大統領就任に向けた動きや、財政規律を守ると公約する新政権によって提出される12月15日公表予定の2019年度予算案の内容に注目が集まると思われますが、内容次第では、メキシコペソは不安定な動きとなる場面もあると想定されます。

メキシコペソの年初来推移

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