メキシコ -新生NAFTA、3ヵ国首脳が署名-

2018/12/17

 

USMCAの構成

集中的交渉を経て妥結

米国、メキシコ、カナダの各首脳は11月30日、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に署名しました。北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定としてトランプ米大統領が強く推し進めてきた本協定は、1年間の集中的な交渉を経て妥結に至りました。強硬姿勢を終始貫いてきた米国とは異なり、現実路線で米国に譲歩したメキシコとカナダは、今回の署名を受けて投資先としての不確実性がやや低下したものと受け止められました。

新協定の注目点は

今回の注目点は、通貨安誘導を禁じる為替条項(33章)が初めて盛り込まれた点です。米国が強く求めるこの条項には「為替介入を含む競争的な通貨切り下げの自制に努めること」と記されました。米財務長官は「今後の貿易交渉ではどの国とも為替問題を協議していく」と発言しています。

新協定は全体的に米国第一主義が反映された内容となっています。たとえば原産地規制(4章)では対米輸出自動車の関税撤廃条件として、域内の部品調達比率引き上げに加え従業員の賃金水準の規定など、米国での生産を促す内容に厳格化されました。また、新協定ではメキシコとカナダが無税となる輸入限度額を引き上げており、米国企業にとってはメキシコやカナダへのインターネット販売などの小口取引における輸出拡大のチャンスにつながるものと見られます。

今後の見通し -批准難航の可能性も-

本協定が発効されるためには、3ヵ国の議会での承認を経て批准されなければなりません。米大統領は貿易協定の交渉権限を持ちますが、貿易協定を施行する権限は議会にあります。メキシコ、カナダにおいても同様の手続きが必要です。

米国では11月の中間選挙後に「ねじれ」議会となり、野党民主党はこの協定内容の一部を修正するよう求めるなど、議会手続きの長期化が予想されており、USMCAが実際に締結に至るのは2019年後半になるものと見られます。

またこの新協定の構成は、来年1月に始まる日米物品貿易協定(TAG)交渉のひな形とも言われており、日本も米国との為替問題等に直面する可能性が指摘されていることから、本協定の今後の動きを注視していく必要があります。

 

 

 


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