豪州 –過度な利下げ観測が落ち着けば、豪ドルは反転へ–

2019/2/22

 

豪ドルの推移

足許の豪ドルは弱含み

豪ドルは2018年以降軟調な動きとなっています。米国が国内景気の回復に伴い金融政策の正常化(利上げ)へと歩み始めて以降米ドル買いが優勢となったことや、米中通商交渉に明確な進展が見られないことを背景に世界経済の減速懸念が強まったことなどから、豪ドル売りが進みました。また、豪州準備銀行(RBA)による利上げ観測が後退したことなどを背景に対米ドルでは一時2009年のリーマン・ショックや2015年のチャイナショックと同水準の安値をつける局面も見られました。

低金利環境が豪州経済を下支え

豪州ではRBAの低金利政策によって金利水準は抑制された状況が続いています。この低金利が下支えする形で豪州経済は堅調に推移しています。成長のエンジンとして個人消費や設備投資、公共インフラ投資等の内需関連が活発です。特に個人消費は実質GDPの約6割を占め、その個人消費を支えるのが雇用です。足許の雇用情勢は堅調ですが、今後の豪州経済の安定的な拡大により雇用情勢が逼迫し、賃金上昇や豪州全体のインフレ(物価上昇)につながるかどうかが、市場で注目されています。

今後の見通し -過度な利下げ観測後退へ-

豪ドル安を追い風に豪州の資源輸出は拡大傾向にあります。豪州政府によると2018-19年度の資源・エネルギー輸出総額は過去最高となる見通しです。中国をはじめとする新興国・地域全体への資源輸出の拡大は、豪州経済の安定的な成長に寄与することが期待されます。足許ではブラジルで1月下旬に鉱山ダムの決壊事故が起きましたが、この事故を受けてブラジル産鉄鉱石の供給減少懸念が強まり鉄鉱石先物の価格が急騰しました。豪州の主力輸出品目である鉄鉱石の価格上昇は豪ドルの支援材料となります。

 

豪ドルの動きを見る上での今後の注目点は金融政策ですが、RBAは2月の理事会で「次の一手は利上げ」の政策姿勢を「中立」にシフトし、政策金利は当面変更しない方針を示しました。これを受けて市場では利下げ観測が広がり、豪ドル売りが進みました。しかしこの方針はFRBと同じであり、足許の豪ドル相場は資源価格の動向などと照らしても利下げを過度に織り込んだ水準と考えられます。長引く豪州住宅市場の調整や5月の総選挙での労働党への政権交代懸念などを背景に豪ドルの上値は当面抑えられるものと予想されますが、今後、RBAによる政策姿勢の変更等、なんらかのきっかけがあれば、豪ドルは反転が期待されます。

 

 

 

 

 

 

 


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